システム戦略|プロジェクトマネージャ試験
この分野には 8問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語はキャッシュ(3問)・投資(3問)・可用性(2問)です。問題が多い回は令和5年度 秋期(1問)・令和2年度 10月(1問)・平成28年度 春期(1問)です。
投資の値打ちを測る物差しと、組み替えやすい作り
システム戦略では、情報システムへの投資をどう評価するかと、業務の変化についていけるシステムをどう組み立てるかが二本の柱です。全社の情報システムを計画するためのデータモデルの作り方も、この分野に入ります。
TCO(総所有費用)は、導入時の初期費用に、通信、保守、運用など毎年かかる費用を使用年数分足し合わせた総額です。初期費用が安い案でも、年ごとの費用が大きければ総額で逆転します。年額に年数を掛けてから比べるのが基本の手順です。
投資効果の指標は、何を見るかで区別します。ROIは投資額に対する利益の比率です。NPV(正味現在価値)は将来のキャッシュフローを現在価値に直して合計し、投資額を差し引いたもので、n年後の金額は(1+割引率)のn乗で割ります。IRRはNPVをゼロにする割引率です。回収期間法(PBP)はキャッシュインの累計が投資額に届くまでの年数を見るので、回収した後の収入は評価に入りません。
SOA(サービス指向アーキテクチャ)は、業務の機能をサービスという単位の部品にし、それらを組み合わせてシステムを作る考え方です。サービスどうしは決められたインタフェースだけでつながる疎結合にし、再利用と組み替えで業務の変化に追随します。特定の製品や通信規格ではなく、組み立て方の考え方です。
全体計画のための全社データモデルは、全体から詳細へと作ります。まず基本的なエンティティとその間のリレーションシップだけで全体の鳥瞰図を描き、次にエンティティを詳細化して関係をすべて明らかにします。エンティティは機能や業務ではなく、顧客や商品のようなデータの対象です。
この分野で出た問題
- 平成23年度 特別 問222回出題IT投資案件において,投資効果をPBP(Pay Back Period)で評価する。投資額が500のとき,期待できるキャッシュインの四つのシナリオa〜dのうち,最も投資効率が良いものはどれか。
- 平成28年度 春期 問22IT投資効果の評価に用いられる手法のうち,ROIによるものはどれか。
- 平成24年度 春期 問21IT投資案件Xの投資効果をNPVで評価する場合の算出式はどれか。
- 令和2年度 10月 問16SOA でシステムを設計する際の注意点のうち,適切なものはどれか。
- 平成25年度 春期 問17SOA(Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点のうち,適切なものはどれか。
- 平成22年度 春期 問18SOA(Service Oriented Architecture)の説明はどれか。
- 平成21年度 春期 問21情報システムの全体計画立案のためにE-Rモデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。
- 令和5年度 秋期 問18新システムの開発を計画している。提案された 4 案の中で,TCO(総所有費用)が最小のものはどれか。ここで,このシステムは開発後,3 年間使用するものとする。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 8年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和5年度 秋期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。