第36回 問題53
障害の理解
Bさん(60歳,男性)は,一人暮らしをしている。糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視覚障害(身体障害者手帳1級)があり,末梢神経障害の症状がでている。Bさんの日常生活において,介護福祉職が留意すべき点として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1水晶体の白濁
- 2口腔粘膜や外陰部の潰瘍
- 3振戦や筋固縮
- 4足先の傷や壊疽などの病変
- 5感音性の難聴
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✓ これが正解4足先の傷や壊疽などの病変
解説
末梢神経障害があるため、足先の傷や壊疽などの病変に留意します。
決め手は、Bさんが糖尿病性網膜症による視覚障害に加えて、末梢神経障害の症状が出ていることです。糖尿病の合併症として、網膜症、腎症、神経障害がよく知られています。神経障害で足の感覚が鈍くなると、靴ずれや小さな傷、やけどができても痛みを感じにくく、気づくのが遅れます。さらにBさんは視覚障害があるため、自分の目で足の傷を確かめることも難しい状態です。
糖尿病では血流が悪くなったり、傷が治りにくく感染しやすくなったりするため、小さな傷が悪化して潰瘍や壊疽につながるおそれがあります。そのため、介護福祉職が日常生活の中で足先の傷や皮膚の色の変化などを観察し、異常があれば医療職につなぐことが大切です。
ほかの記述は、Bさんの状態とは別の病気と結びつくものです。水晶体の白濁は白内障の所見です。口腔粘膜や外陰部の潰瘍は、ベーチェット病でみられる症状です。振戦や筋固縮は、パーキンソン病の主な症状です。感音性の難聴は、内耳から聴神経にかけての障害で起こり、加齢性難聴などでみられます。
覚え方としては、糖尿病の神経障害なら足、と結びつけ、感覚が鈍いうえに見えない人ほど周りが足を見る、と押さえておくと迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1水晶体の白濁:水晶体の白濁は白内障の所見です。Bさんの視覚障害は網膜の障害によるもので、事例で示された末梢神経障害と結びつけて日常生活上の留意点を考えると、注目すべき点は足先です。
- 2口腔粘膜や外陰部の潰瘍:口の中や陰部に繰り返しできる潰瘍は、ベーチェット病を疑わせる所見です。Bさんの事例にはそのような記述がなく、糖尿病の合併症として見守る点からも外れています。
- 3振戦や筋固縮:振戦や筋固縮は、パーキンソン病の主な症状です。糖尿病の末梢神経障害は、手足のしびれや感覚の鈍さとして表れ、ふるえや筋のこわばりとは種類が違います。
- 5感音性の難聴:感音性の難聴は、内耳から聴神経にかけての障害で起こり、加齢性難聴などでみられます。事例には聞こえに関する記述がなく、Bさんの状態から留意点として挙がるものではありません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題53。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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