システムの評価指標|エンベデッドシステムスペシャリスト試験
この分野には 10問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語は稼働率(3問)・MTBF(2問)・MTTR(2問)・改善(2問)です。問題が多い回は平成22年度 春期(2問)・令和6年度 秋期(1問)・令和5年度 秋期(1問)です。
稼働率・故障・性能を式の形で比べる
稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で表します。MTBFとMTTRがともに同じ倍率で変わると分子と分母が同じ割合で変わるため、稼働率は変わりません。数値を代入する前に、式の形から増えるか減るかを見ておくと迷いにくくなります。
装置を組み合わせたシステムの稼働率は、直列なら各装置の稼働率の積、並列なら1から「全部が同時に止まる確率」を引いた値です。直列と並列が混じる構成は、内側の並列部分を一つの装置にまとめてから直列として掛け合わせます。装置単体の稼働率を変えたときの全体の変化をグラフで考える場合も、両端の0と1や中間の値を代入して形を確かめられます。
故障率が時間によらず一定のとき、故障せずに残っている割合は時間とともに指数関数的に減り、故障率と経過時間の積をxとするとeの-x乗になります。故障率と時間の単位を、秒なら秒にそろえてから掛けることが計算の要です。
並列処理による性能向上はアムダールの法則で考えます。並列化できない部分は台数を増やしても縮まないので、並列化できる割合が半分なら、プロセッサをいくら増やしても全体は2倍を超えません。応答時間の改善も同じ発想で、内訳の中で占める割合が大きい部分を縮めるほど全体への効果が大きくなります。
性能評価の方法には、待ち行列モデルなどで式を解く解析的な方法と、モデルを動かして結果を観測するシミュレーションがあります。シミュレーションは、解析的には解けないモデルでも数値的に答えを得られるのが利点で、その代わり試行を重ねる手間が掛かります。
この分野で出た問題
- 平成31年度 春期 問6故障発生率が1.0×10^−6回/秒である機器10,000台が稼働している。330時間経過後に,故障していない機器の平均台数に最も近いものはどれか。ここで,故障発生率は経過時間によらず一定で,故障した機器は修理しない。また,必要であれば,故障発生率をラムダ回/秒,稼働時間をt秒とする次の指数関数のグラフから値を読み取って,計算に使用してよい。
- 平成22年度 春期 問62回出題コンピュータシステムにおいて,性能改善手法を適用した機能部分の全体に対する割合をR(0<R<1),その部分の性能改善手法適用前に対する適用後の性能比をAとする。このとき,システム全体の性能改善手法適用前に対する適用後の性能比を表す式はどれか。
- 令和5年度 秋期 問5MTBFがx時間,MTTRがy時間のシステムがある。使用条件が変わったので,MTBF,MTTRがともに従来の1.5倍になった。新しい使用条件での稼働率はどうなるか。
- 令和6年度 秋期 問5あるシステムにおいて,MTBFとMTTRがともに1.5倍になったとき,アベイラビリティ(稼働率)は何倍になるか。
- 平成21年度 春期 問10あるトランザクションの応答時間は,サーバ処理時間100ミリ秒,総回線伝送時間400ミリ秒及び端末処理時間500ミリ秒の合計から成る。この応答時間を最も短縮させる対策はどれか。ここで,オーバヘッドは無視するものとする。
- 平成22年度 春期 問5コンピュータの性能評価には,シミュレーションによって行う方法や解析的な方法などがある。シミュレーションによって行う方法の特徴はどれか。
- 平成29年度 春期 問6コンピュータの性能評価には,シミュレーションを用いた方法や解析的な方法などがある。シミュレーションを用いた方法の特徴はどれか。
- 令和4年度 秋期 問7マルチプロセッサによる並列処理において,1 プロセッサのときに対する性能向上比はアムダールの法則で説明することができる。性能向上比に関する記述のうち,適切なものはどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 9年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和6年度 秋期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。