第40回 午前 問51
食べ物と健康
細菌性食中毒及びウイルス性食中毒に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1腸管出血性大腸菌は、テトロドトキシンを産生する。
- 2エルシニア・エンテロコリチカは、0〜5℃で増殖する。
- 3ボツリヌス菌による食中毒は、主に鶏肉の生食により発生する。
- 4セレウス菌が産生する嘔吐毒は、通常の加熱調理で不活性化される。
- 5ノロウイルスによる食中毒は、冬期に比べ夏期に多発する。
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✓ これが正解2エルシニア・エンテロコリチカは、0〜5℃で増殖する。
解説
エルシニア・エンテロコリチカは0〜5℃の低温でも増殖します。
食中毒の原因微生物は、原因食品・毒素・増殖できる温度・多発する季節の組合せで見分けます。エルシニア・エンテロコリチカは低温細菌で、冷蔵庫の温度帯である0〜5℃でも増殖できる点が大きな特徴です。豚肉や加熱不足の食品、汚染された水などが感染源となり、冷蔵保存だけでは防ぎきれない菌です。
ほかの記述は、毒素名・原因食品・耐熱性・季節が別の病原体のものとすり替わっています。テトロドトキシンはふぐの毒、鶏肉の生食で多いのはカンピロバクター、セレウス菌の嘔吐毒は熱に強い毒素、ノロウイルスは寒い時期に多いという整理で、いずれも記述と一致しません。
したがって、エルシニア・エンテロコリチカが0〜5℃で増殖するという記述が適当です。低温でも増える菌としてエルシニアとリステリアを一組で覚えておくと、冷蔵保存に関する問いで迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1腸管出血性大腸菌は、テトロドトキシンを産生する。:腸管出血性大腸菌が産生するのはベロ毒素(志賀毒素)です。テトロドトキシンはふぐの卵巣や肝臓に含まれる神経毒で、自然毒食中毒の原因物質であり、細菌がつくる毒素ではありません。
- 3ボツリヌス菌による食中毒は、主に鶏肉の生食により発生する。:ボツリヌス菌は嫌気性の芽胞菌で、いずしや缶詰、真空包装食品など酸素の少ない条件の食品で毒素をつくります。鶏肉の生食や加熱不足で多いのはカンピロバクターによる食中毒です。
- 4セレウス菌が産生する嘔吐毒は、通常の加熱調理で不活性化される。:セレウス菌の嘔吐毒(セレウリド)は熱に強く、通常の加熱調理では不活性化されません。チャーハンなど穀類の加熱調理品を室温に放置すると毒素がたまり、再加熱しても防げません。
- 5ノロウイルスによる食中毒は、冬期に比べ夏期に多発する。:ノロウイルスによる食中毒は冬期に多発します。夏期に多いのは腸炎ビブリオなど、気温が高いと食品中で増殖しやすい細菌による食中毒です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問51(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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