令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 法規(電気技術者試験センター)問13(b)
法規
静電容量測定結果の記述
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高圧進相コンデンサの劣化診断について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(b) 小問(a)の測定により,劣化による内部素子の破壊(短絡)が発生していると判断し,機器停止のうえ各相間の静電容量を2端子測定法(1端子開放で測定)で測定した。
図2のとおりの内部結線における素子破壊(素子極間短絡)が発生しているとすれば,静電容量測定結果の記述として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,図中×印は,破壊素子を表す。
- 1R-S相間の測定値は,最も小さい。
- 2S-T相間の測定値は,最も小さい。
- 3T-R相間は,測定不能である。
- 4R-S相間の測定値は,S-T相間の測定値の約75 %である。
- 5R-S相間とS-T相間の測定値は,等しい。
答えと解説
✓ これが正解2S-T相間の測定値は,最も小さい。
解説
破壊素子のないS相とT相の間は直列の素子が最も多く、測定値が最も小さくなります。
小問(a)では、R相の電流だけが定格の1.5倍に増えていたので、R相の素子の破壊(短絡)が疑われました。図2では、Y結線の各相に素子が2個直列に入り、R相の端子側の1素子が短絡しています。
素子1個の静電容量をcとします。健全な相は2個の直列なので c/2、R相は1個が短絡して残り1個だけになるので c です。2端子測定法で2つの端子の間を測ると、残りの1端子は開放されているので、測るのは2相分の直列です。コンデンサの直列は、C=C₁C₂/(C₁+C₂) で求めます。
R-S相間は c と c/2 の直列で、c×(c/2)÷(c+c/2)=c/3 です。T-R相間も同じく c/3 です。S-T相間は c/2 どうしの直列で c/4 です。よって最も小さいのはS-T相間です。検算として、静電容量の逆数の和で数えると、R-S相間は 1/c+2/c=3/c、S-T相間は 2/c+2/c=4/c で、逆数が大きいS-T相間が最も小さく、同じ結論になります。
まとめると、R-S相間とT-R相間は等しく、S-T相間はその3/4です。素子が短絡するとその相を含む測定値は大きくなり、短絡を含まない相間が最も小さくなる、と覚えると見分けられます。
ほかの選択肢の解説
- 1R-S相間の測定値は,最も小さい。:R-S相間はR相の短絡で直列の素子が1個減り、c/3と大きくなります。S-T相間のc/4より大きいので、最も小さいのはR-S相間ではありません。
- 3T-R相間は,測定不能である。:素子の破壊は極間の短絡で、回路が切れる断線ではありません。T-R相間にも電流の通り道があり、c/3として測定できるので、測定不能にはなりません。
- 4R-S相間の測定値は,S-T相間の測定値の約75 %である。:R-S相間はc/3、S-T相間はc/4なので、R-S相間はS-T相間の約133 %です。約75 %になるのは逆向きの比で、S-T相間がR-S相間の約75 %です。
- 5R-S相間とS-T相間の測定値は,等しい。:R-S相間は短絡した素子を含むのでc/3、S-T相間は健全な素子4個の直列でc/4です。素子1個分の差があるので、二つの測定値は等しくなりません。
出典:令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 法規 問13(b)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
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