令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 理論(電気技術者試験センター)問9
理論
電力に関する問題
選択肢を押すと、その場で答え合わせ。電験三種の過去問 400問を、解説つき・無料・登録不要で続けて解けます。
次式に示す電圧e [V]及び電流i [A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。e=100sin ωt+50sin(3ωt-π/6) [V] i=20sin(ωt-π/6)+10√3 sin(3ωt+π/6) [A]
- 10.95
- 21.08
- 31.16
- 41.29
- 51.34
答えと解説
✓ これが正解21.08
解説
同じ周波数の成分の電力を足し、866+216.5≒1 083 Wです。
ひずみ波(正弦波でない周期的な波形)の電圧と電流による電力(有効電力)は、同じ周波数の成分どうしの電力の和になります。周波数の違う成分の積は、1周期で平均すると0になるためです。各成分の電力は、最大値をEm、Imとして(Em×Im/2)cosθ(θは電圧と電流の位相差)で求めます。
基本波は、電圧の最大値100 V・位相0、電流の最大値20 A・位相-π/6で、位相差はπ/6です。P₁=(100×20/2)×cos(π/6)=1 000×0.866=866 Wです。第3調波は、電圧の最大値50 V・位相-π/6、電流の最大値10√3 A・位相+π/6で、位相差はπ/3です。P₃=(50×10√3/2)×cos(π/3)=433×0.5=216.5 Wです。合計はP=866+216.5=1 082.5 W≒1.08 kWです。
実効値で検算します。基本波は(100/√2)×(20/√2)×cos30°=1 000×0.866=866 W、第3調波は(50/√2)×(10√3/√2)×cos60°=433×0.5=216.5 Wとなり、同じ合計1.08 kWに着きます。
ひずみ波の電力は、周波数ごとに電圧の実効値×電流の実効値×力率を求めて足す、と覚えておきます。
ほかの選択肢の解説
- 10.95:0.95 kWは正しい合計1.08 kWより小さい値です。基本波の866 W≒0.87 kWだけで止めると選択肢ではこの値が最も近くなりますが、第3調波の216.5 Wも正の電力として加わるので、合計は866 Wより大きくなります。
- 31.16:1.16 kWは、正しい合計1.08 kWより約80 W大きい値です。基本波の位相差はπ/6、第3調波の位相差は-π/6と+π/6の差のπ/3で、それぞれのcosを掛けて足すと1 082.5 Wとなり、1.16 kWには届きません。
- 41.29:第3調波の位相差を0として433 Wをそのまま足すと1 299 W≒1.30 kWとなり、選択肢ではこの値が最も近くなります。しかし第3調波の電圧と電流の位相差はπ/3なので、cos(π/3)=0.5を掛けた216.5 Wが正しい電力です。
- 51.34:1.34 kWは、正しい合計1.08 kWより約260 W大きく、第3調波を位相差0とした1 299 Wよりもさらに大きい値です。第3調波の電圧と電流の位相差π/3のcos0.5を掛けた216.5 Wだけが電力になります。
出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 理論 問9(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
同じ分野の問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)