令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問10
内部統制
業務処理統制に関する問題
金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(令和元年)”に基づき,今年度改修した“自動化されたITに係る業務処理統制(ITAC)”の整備状況が有効であるとき,人手による内部統制よりも,サンプル数を減らし,サンプリングの対象期間を短くするなどITACの運用状況の評価作業を減らすことができる条件として,最も適切なものはどれか。
- アITACの前年度の運用状況の評価が有効である。
- イITに係る全般統制が有効である。
- ウ人手による業務処理統制の運用状況が有効である。
- エ人手による業務処理統制の整備状況が有効である。
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✓ これが正解イITに係る全般統制が有効である。
解説
ITに係る全般統制が有効なら、ITACの運用評価を減らせます。
設問が引く金融庁の実施基準(令和元年)では、ITを利用して自動化された業務処理統制は、一度適切に組み込まれれば、プログラムが変更されたり不正に使われたりしない限り、同じ処理を一貫して繰り返すと考えられています。そこで、ITに係る全般統制が有効に整備され運用されていれば、自動化された統制はその後も同じように機能し続けると判断でき、人手による統制に比べてサンプル数を減らしたり、対象期間を短くしたりできるとされています。全般統制は、プログラムの変更管理やアクセス管理を通じて、自動化された統制が変わらずに動き続けることを支える土台だからです。自動化された統制の信頼は全般統制に支えられる、という関係を押さえると判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アITACの前年度の運用状況の評価が有効で…:前年度の運用状況の評価が有効であっても、この問のITACは今年度に改修されています。改修によって処理が変わっている以上、前年度の評価結果をそのまま頼りにすることはできず、評価作業を減らす条件にはなりません。
- ウ人手による業務処理統制の運用状況が有効で…:人手による業務処理統制の運用状況が有効であることは、その手作業の統制についての評価結果です。自動化された統制が変わらずに機能し続けることを裏付けるものではないので、ITACの評価作業を減らす根拠にはなりません。
- エ人手による業務処理統制の整備状況が有効で…:人手による業務処理統制の整備状況が有効であっても、それは手作業の統制が適切に設計されていることを示すにすぎません。ITACが改修後も同じように動き続けるかは別の統制に支えられるので、条件として適切ではありません。
この問題の用語
- 業務処理統制個々の業務の処理が正しく行われるよう、中に組み込む統制です。入力した値と原票を突き合わせる手続が、その一例です。
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- サンプリング全体から一部を抜き出して調べ、全体の傾向を推し量る方法です。全部を調べるより手間が少なく、品質管理や監査、統計調査で使われます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:令和4年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問10
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問10:全般統制に関する問題(業務処理統制)
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問8:3線モデルに関する問題(内部統制)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問12:エラープルーフ化に関する問題(作業)
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問5:試査に関する問題(サンプリング)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問1:統計的サンプリングに関する記述(サンプリング)
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