令和4年度 秋期 午前 問58
システム監査
ISMS内部監査に関する問題
JIS Q 27001:2014(情報セキュリティマネジメントシステム-要求事項)に基づいて ISMS 内部監査を行った結果として判明した状況のうち,監査人が,指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。
- アUSB メモリの使用を,定められた手順に従って許可していた。
- イ個人情報の誤廃棄事故を主務官庁などに,規定されたとおりに報告していた。
- ウマルウェアスキャンでスパイウェアが検知され,駆除されていた。
- エリスクアセスメントを実施した後に,リスク受容基準を決めていた。
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✓ これが正解エリスクアセスメントを実施した後に,リスク受容基準を決めていた。
解説
基準を後から決めた点が不適合です。
設問は、ISMS 内部監査で判明した状況のうち、監査人が指摘事項として監査報告書に記載すべきものを選ばせています。ここで押さえるのは、監査人が書くのは基準に照らして合っていないことだという一点です。悪い出来事が書かれている記述を探す問題ではなく、規定どおりに運用できていれば、たとえ事故が起きていても指摘の対象にはなりません。正解は、リスクアセスメントを実施した後に、リスク受容基準を決めていたという状況です。JIS Q 27001 はリスク基準を確立し維持することを求めており、その確立の時点はリスクアセスメントのプロセスを定義するときです。順序が入れ替わると、出てきた結果を見てから基準を決められることになり、都合の悪いものを受容範囲だと後付けで正当化できてしまいます。これは監査人の主観ではなく事実として順序が違うので、規格に合っていないと書けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アUSB メモリの使用を,定められた手順に…:USB メモリの使用を、定められた手順に従って許可していたという状況です。持ち出せる媒体を使うこと自体が禁じられているわけではなく、手順が用意され、そのとおりに運用できているなら合っている状態です。
- イ個人情報の誤廃棄事故を主務官庁などに,規…:個人情報の誤廃棄事故を主務官庁などに、規定されたとおりに報告していたという状況です。困った出来事は起きていますが、監査人が見るのはその後の対応が定めに沿っているかであり、報告できていることはむしろ仕組みが働いた証拠です。
- ウマルウェアスキャンでスパイウェアが検知さ…:マルウェアスキャンでスパイウェアが検知され、駆除されていたという状況です。見つけて取り除けたということは、備えた手立てがまさに有効に働いた場面であり、書き留めて是正を促すべきずれは生じていません。
この問題の用語
- リスクアセスメントリスクを洗い出し(特定)、大きさを見積もり(分析)、対応の優先順位を決める(評価)までの一連の作業を指します。
- JIS Q 27001情報セキュリティの仕組みに必要な要求事項を定めた規格。本文の要求事項は全て適用が必要で、附属書Aの管理策は理由があれば除外できます。
- 情報セキュリティマネジメントシステム組織の情報セキュリティを仕組みとして運用する枠組みのこと。方針を決め、実施し、点検して見直す流れを繰り返して改善します。
- ISMS情報を守る取り組みを、決めて実行し点検して直す流れとして続ける仕組み。個々の対策ではなく、その回し方のことです。
- 内部監査組織が自分たちの仕組みを、業務の担当から離れた立場の者が点検すること。結果は改善のための見直しに使われます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- 指摘事項監査で見つかった、直すべき点として報告書に書かれる事柄です。決まりどおりに行われていた行為は、ここには含まれません。
- 監査報告書監査の結果と意見、改善の勧告をまとめて伝える文書のことです。原案は相手と意見交換し、事実誤認がないかを確かめます。
出典:令和4年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問42:CSPMに関する問題(情報セキュリティマネジメントシステム)
- 令和5年度 春期 午前 問60:内部統制に関する問題(内部監査)
- 令和4年度 秋期 午前 問41:リスクアセスメントに関する問題(リスクアセスメント)
- 令和4年度 秋期 午前 問39:インシデントに関する問題(ISMS)
- 平成24年度 春期 午前 問42:完全性に関する問題(JIS Q 27001)
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