平成23年度 特別 午前 問43
セキュリティ
インシデントに関する問題
あるコンピュータセンタでは,インシデントを六つのタイプに分類した。このとき,次の三つのインシデントに対するタイプの組合せのうち,適切なものはどれか。
〔六つのタイプ〕 Scan: プローブ,スキャン,そのほかの不審なアクセス Abuse: サーバプログラムの機能を悪用した不正中継 Forged: 送信ヘッダを詐称した電子メールの配送 Intrusion: システムへの侵入 DoS: サービス運用妨害につながる攻撃 Other: その他 〔三つのインシデント〕 インシデント1:ワームの攻撃が試みられた形跡があるが,侵入されていない。 インシデント2:ネットワークの輻輳による妨害を受けた。 インシデント3:DoS 用の踏み台プログラムがシステムに設置されていた。
- アインシデント1=Abuse / インシデント2=DoS / インシデント3=Intrusion
- イインシデント1=Abuse / インシデント2=Forged / インシデント3=DoS
- ウインシデント1=Scan / インシデント2=DoS / インシデント3=Intrusion
- エインシデント1=Scan / インシデント2=Forged / インシデント3=DoS
答えと解説を見る
✓ これが正解ウインシデント1=Scan / インシデント2=DoS / インシデント3=Intrusion
解説
不審なアクセス・妨害・侵入の順に当てはまります。
六つのタイプの定義は設問の中に書き出されていますから、覚えている必要はありません。三つの出来事を一つずつ定義に当てはめるだけで決まります。気をつけるのは、文中に出てきた単語をそのままタイプ名として選ばないことです。一つ目は、ワームの攻撃が試みられた形跡はあるものの、侵入はされていないと述べています。中に入られていない以上、システムへの侵入には当たりません。残るのはプローブやスキャン、そのほかの不審なアクセスで、Scan がこれに当たります。二つ目は、ネットワークの輻輳による妨害です。輻輳とは通信が混み合って流れなくなることですから、サービス運用妨害につながる攻撃、つまり DoS に当たります。三つ目が最も紛らわしいところです。DoS という文字が並んでいますが、起きた事実は、自分のシステムに他人がプログラムを設置したことです。設置できたということは中に入られているので、Intrusion に当たります。この機器はまだ誰も攻撃しておらず、これから踏み台にされる側です。インシデントの分類は、自分のところで何が起きたかで決めるものであり、置かれた道具の用途で決めるものではありません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アインシデント1=Abuse / インシデ…:一つ目をサーバプログラムの機能を悪用した不正中継と見ています。設問の記述には中継の話が一言も出てきませんから、そこへ当てはめる根拠がありません。残る二つの割当ては妥当です。
- イインシデント1=Abuse / インシデ…:一つ目を不正中継とし、二つ目を送信ヘッダを詐称した電子メールの配送と見ています。混み合いは配送の偽装ではありませんし、三つ目も置かれた道具の用途に引きずられた形で、三か所とも合いません。
- エインシデント1=Scan / インシデン…:一つ目の割当ては妥当ですが、二つ目を電子メールの詐称と取り違えています。三つ目も、設置された段階で中に入られている点を見ずに、道具の名前の方を採ってしまっています。
この問題の用語
- インシデントサービスの計画外の中断や品質の低下、またはそのおそれがある出来事です。情報セキュリティでは、安全が損なわれるおそれが高いものを指します。
- ワーム他のプログラムに寄生せず、自分の複製を作って自力で広がるマルウェアです。ネットワークやリムーバブルメディアを媒介にして感染を広げます。
- 踏み台攻撃者が、乗っ取った他人の機器を経由して攻撃することです。攻撃元をたどると無関係な組織に行きつくため、知らぬ間に加害者にされます。
- 電子メール文書やファイルをネットワーク越しに送る仕組み。送信にはSMTP、受信にはPOP3やIMAP4というプロトコルが使われます。
出典:平成23年度 特別 応用情報技術者試験 午前 問43
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問55:サービス可用性管理に関する問題(インシデント)
- 令和7年度 秋期 午前 問45:デジタル署名に関する問題(電子メール)
- 令和6年度 春期 午前 問36:名前解決に関する問題(ワーム)
- 令和5年度 春期 午前 問36:ボットネットに関する問題(踏み台)
- 平成30年度 春期 午前 問36:名前解決に関する問題(ワーム)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)