令和3年度 北海道 午前 問20
医薬品に共通する特性と基本的な知識
薬害に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れ、麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。
- 2サリドマイド訴訟は、催眠鎮静成分として承認されたサリドマイドが原因で亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
- 3HIV訴訟は、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルスが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
- 4クロイツフェルト・ヤコブ病は、ウイルスの一種であるプリオンが脳の組織に感染することによって発症する。
答えと解説を見る
✓ これが正解1スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れ、麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもある。
解説
スモンの症状の説明が正しい
手引き第1章の薬害の歴史(主な訴訟)の節で判断します。サリドマイド、スモン、HIV、CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)の各訴訟について、原因の医薬品と健康被害の組合せが要点です。
スモンは、整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより生じた亜急性脊髄視神経症の英名の頭文字をとった呼び名です。初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れ、麻痺は上半身にも拡がる場合があり、ときに視覚障害から失明に至ることもあります。この記述は手引きの説明どおりです。
ほかの記述は、訴訟と健康被害の組合せを入れ替えています。亜急性脊髄視神経症はスモンのことでサリドマイドではありません。認知症に似た症状から死に至る神経難病はCJDの説明で、HIV訴訟の被害はヒト免疫不全ウイルスへの感染です。またプリオンはウイルスではなく、タンパク質の一種です。
したがってスモンの症状を述べた記述が正解です。サリドマイド=先天異常、スモン=キノホルムと神経障害、HIV=血液製剤と感染、CJD=プリオンと脳の病気、と原因と被害を対で覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2サリドマイド訴訟は、催眠鎮静成分として承…:サリドマイドは催眠鎮静成分として承認されましたが、妊娠中の使用で胎児に先天異常を生じたことが訴訟の原因です。亜急性脊髄視神経症はキノホルム製剤によるスモンのことです。
- 3HIV訴訟は、血友病患者が、ヒト免疫不全…:HIV訴訟の被害は、ヒト免疫不全ウイルスが混入した血液凝固因子製剤の投与によるHIVへの感染です。認知症に似た症状から死に至る神経難病は、CJD訴訟の被害の説明です。
- 4クロイツフェルト・ヤコブ病は、ウイルスの…:クロイツフェルト・ヤコブ病の原因とされるプリオンは、細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種です。ウイルスの一種とする点が誤りです。
出典:令和3年度 北海道登録販売者試験 午前(北海道)問20(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、正誤・穴埋めの表を1行に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、北海道とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)