第28回 問題13
現代の精神保健の課題と支援
性の多様性に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1ジェンダーとは,性的少数者を指す概念である。
- 2性的指向とは,自己の性別の認識を指す概念である。
- 3WHOが定めるICD-11では,性別不合(gender incongruence)を精神疾患に分類している。
- 4トランスジェンダーは,生物学的・身体的性別と性自認が異なる状態を表す用語である。
- 5DSM-5-TRの性別違和(gender dysphoria)の診断には,児童と成人で同じ基準が適用される。
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✓ これが正解4トランスジェンダーは,生物学的・身体的性別と性自認が異なる状態を表す用語である。
解説
トランスジェンダーは、身体の性別と性自認が異なる状態を表します。
性の多様性に関する用語と、国際的な診断基準での扱いを問う問題です。性のあり方は、体の性(生物学的・身体的性別)、自分の性別をどう認識しているかという性自認、恋愛や性愛の対象がどの性に向くかという性的指向、社会の中で期待される役割や表現としての性など、いくつかの要素に分けて考えます。
トランスジェンダーは、生まれたときに割り当てられた身体の性別と、本人の性自認とが一致しない人やその状態を表す言葉です。設問の記述はこの説明と合っています。
ほかの肢では、ジェンダー、性的指向という語の意味が取り違えられています。また、WHOのICD-11では、性別不合は精神疾患の章から外され、性の健康に関連する状態の章に位置づけられました。DSM-5-TRの性別違和は、子どもと青年・成人とで別の診断基準が設けられています。
したがって正しいのは、トランスジェンダーは身体的性別と性自認が異なる状態を表す用語であるという記述です。体の性・性自認・性的指向・社会的な性を別々の軸として整理しておくと、言葉の取り違えを見抜きやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ジェンダーとは,性的少数者を指す概念である。:ジェンダーは、社会的・文化的に形づくられた性別や性役割を指す言葉です。性的少数者を指す言葉ではなく、性的少数者の総称としては別の表現が用いられます。
- 2性的指向とは,自己の性別の認識を指す概念である。:性的指向は、恋愛や性愛の関心がどの性に向くかを表す概念です。自分の性別をどう認識しているかは性自認といい、両者は別の軸として区別されます。
- 3WHOが定めるICD-11では,性別不合(gender incongruence)を精神疾患に分類している。:WHOが2019年に採択した新しい分類では、性別不合を精神の病気の一つとして扱うのをやめ、性の健康に関わる章に移しています。偏見を減らすことなどが変更の理由として説明されています。
- 5DSM-5-TRの性別違和(gender dysphoria)の診断には,児童と成人で同じ基準が適用される。:DSM-5-TRの性別違和は、児童の診断基準と、青年・成人の診断基準とが分けて定められています。同じ基準が両方に使われるわけではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題13。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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