第60回 午後 問50
臨床医学
感染症対策で正しいのはどれか。
- 1使用後の手袋は裏返しにして捨てる。
- 2手袋使用後の手指消毒は不要である。
- 3感染症患者以外には標準予防策は不要である。
- 4マスクなしで咳をするときは手掌で口を覆う。
- 5空気感染予防のためには隔離室内の気圧を陽圧に設定する。
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✓ これが正解1使用後の手袋は裏返しにして捨てる。
解説
使用後の手袋は、汚れた面を内側に裏返して捨てます。
感染症対策の基本は、すべての患者の血液や体液、排泄物などを感染の可能性があるものとして扱う標準予防策(スタンダードプリコーション)です。手指衛生、手袋やマスクなどの個人防護具の正しい使い方、咳エチケットなどが含まれます。
使い終わった手袋の外側は、患者の体液や病原体で汚れている可能性があります。外すときは、外側に素手が触れないよう、汚れた面を内側に包み込むように裏返して外し、そのまま捨てます。こうすると、周りの環境や自分の手を汚さずにすみます。この記述が正しいものです。
他の記述は対策の原則に反します。手袋には小さな穴が開いていたり、外すときに手が汚れたりするため、外した後も手指消毒が必要です。標準予防策は感染症と分かっている患者だけでなく、すべての患者に行います。マスクがないときの咳は、手のひらではなくティッシュや袖で口を覆います。空気感染を防ぐ隔離室は、病原体が外へ漏れないよう陰圧にします。
したがって、正しい記述は使用後の手袋を裏返して捨てるという肢です。汚れた面に触れない・外したら手指消毒、を手袋の扱いの基本として覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2手袋使用後の手指消毒は不要である。:手袋にはピンホールと呼ばれる小さな穴が開いていることがあり、外すときに手が汚れることもあります。そのため手袋を外した後にも手指消毒を行う必要があります。
- 3感染症患者以外には標準予防策は不要である。:標準予防策は、感染症の有無にかかわらず、すべての患者の血液・体液などを感染の可能性があるものとして扱う考え方です。感染症患者以外に要らないという考えは原則に反します。
- 4マスクなしで咳をするときは手掌で口を覆う。:手のひらで口を覆って咳をすると、その手で触れたドアノブなどを通して病原体が広がります。マスクがないときは、ティッシュや服の袖、肘の内側で口と鼻を覆うのが咳エチケットです。
- 5空気感染予防のためには隔離室内の気圧を陽圧に設定する。:空気感染する病原体の患者を入れる隔離室は、室内の空気が廊下などへ流れ出ないよう、周りより気圧を低い陰圧に設定します。陽圧にすると病原体が外へ漏れてしまいます。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問50(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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