第60回 午後 問45
臨床医学
髄膜刺激徴候を誘発しやすい体位
髄膜刺激徴候を誘発しやすい体位はどれか。
- 1側臥位
- 2端座位
- 3長座位
- 4背臥位
- 5腹臥位
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✓ これが正解3長座位
解説
頸部と股関節を屈曲する長座位は、髄膜刺激徴候を誘発しやすい体位です。
髄膜刺激徴候は、くも膜下出血や髄膜炎などで髄膜に炎症や刺激があるときに現れる症状で、項部硬直やKernig徴候などがあります。脊髄と神経根を包む髄膜は、頸部を前に曲げたり、膝を伸ばしたまま股関節を曲げたりすると引き伸ばされ、痛みや抵抗が生じます。体位の問題では、どの姿勢が髄膜を最も引き伸ばすかで判断します。
長座位は、膝を伸ばしたまま股関節を曲げて座り、体幹を前に倒しやすい姿勢です。下肢を伸ばした状態での股関節の屈曲は坐骨神経と神経根を引き、体幹や頸部を前に曲げると脊髄の髄膜も引き伸ばされます。この組み合わせは、髄膜刺激徴候があると強い痛みや抵抗として現れやすく、誘発しやすい体位になります。
他の体位は、髄膜をそれほど引き伸ばしません。背臥位や腹臥位、側臥位では頸部も股関節も大きく曲がらず、端座位では股関節は曲がっても膝が曲がっているため、神経の伸張が少なくなります。
したがって、髄膜刺激徴候を誘発しやすい体位は長座位です。膝を伸ばしたまま股関節を曲げ、体を前に倒す姿勢が髄膜を最も引き伸ばす、と仕組みで覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1側臥位:側臥位は横向きに寝た姿勢で、頸部や股関節を大きく曲げずに過ごせます。髄膜が引き伸ばされる程度は小さく、髄膜刺激徴候を誘発しやすい体位とは言えません。
- 2端座位:端座位では股関節は曲がっていますが、膝も曲がっているため、坐骨神経や神経根はあまり引かれません。膝を伸ばしたまま座る姿勢と比べると、髄膜への刺激は小さくなります。
- 4背臥位:背臥位は仰向けに寝た姿勢で、頸部も股関節も伸びた状態です。髄膜はほとんど引き伸ばされないため、髄膜刺激徴候を誘発しやすい体位ではありません。
- 5腹臥位:腹臥位はうつ伏せの姿勢で、頸部や股関節を前に曲げることがありません。髄膜や神経根を引き伸ばす力がかからないので、誘発しやすい体位ではありません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問45(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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