第60回 午前 問21
リハビリテーション医学
ノーマライゼーションで正しいの
ノーマライゼーションで正しいのはどれか。
- 1医学的モデルに基づいた概念である。
- 2日本からはじまった社会理念である。
- 3障害者が自己決定権を有することである。
- 4福祉サービスを利用せずに生活することである。
- 5身体機能の改善によって生活を正常化させることである。
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✓ これが正解3障害者が自己決定権を有することである。
解説
ノーマライゼーションは、障害者の自己決定権の尊重を含む理念です。
ノーマライゼーションは、障害のある人も地域で、ほかの人と同じような普通の生活を送れるように、社会の側を整えていくという理念です。1950年代のデンマークで、知的障害者の親の会の運動を背景にBank-Mikkelsenが唱え、その後スウェーデンのNirjeらによって広められたとされます。普通の生活には、住む場所や過ごし方を本人が選び、決められることが含まれるため、自己決定権の尊重はこの理念の中核の一つです。
医学的モデルは障害を個人の病気や機能の問題として治療の対象とみる考え方で、生活の条件や社会の側を変えようとするノーマライゼーションとは立場が異なります。日本から始まったとする記述は、北欧で生まれた歴史と合いません。福祉サービスを使わずに生活するという意味でもなく、必要な支援を使いながら普通の生活を送ることを目指します。身体機能を改善して生活を正常化させるという記述も、本人を正常に近づけるという誤解です。
したがって、正しいのは障害者が自己決定権を有することです。ノーマライゼーションは人を変えるのではなく生活の条件を普通にする、と覚えておくと誤答を見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1医学的モデルに基づいた概念である。:医学的モデルは、障害を病気や外傷から生じる個人の問題とみて、治療で改善を図る考え方です。生活の条件を整えて社会の側を変えるノーマライゼーションとは、立場が異なります。
- 2日本からはじまった社会理念である。:ノーマライゼーションは北欧のデンマークで、知的障害者の処遇の改善を求める動きの中から生まれた理念です。日本から始まったという記述は、成り立ちと合いません。
- 4福祉サービスを利用せずに生活することである。:福祉サービスを受けることは、ノーマライゼーションの考え方と矛盾しません。支援を受けつつ地域で暮らすことこそが目標で、サービスを避けて暮らすことを求めるものではありません。
- 5身体機能の改善によって生活を正常化させることである。:本人の身体機能を改善して正常に近づけることは、ノーマライゼーションの意味ではありません。変えていくのは、障害のある人を取り巻く生活の条件や環境の側です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問21(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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