第110回 午前 問6
公衆衛生看護活動展開論
健康課題で優先度が高いの
高齢化率が高いA市の保健師は、地域診断を行い、複数の健康課題を抽出した。対応すべき健康課題で優先度が高いのはどれか。
- 1後期高齢者の増加に伴う認知症高齢者の増加
- 2豪雪地帯に居住する高齢者の閉じこもりの増加
- 3地域社会の希薄化によって社会との交流が減少した高齢者の増加
- 4高齢者を高齢者が介護する世帯における介護負担による高齢者虐待の増加
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✓ これが正解4高齢者を高齢者が介護する世帯における介護負担による高齢者虐待の増加
解説
生命に関わり緊急性の高い高齢者虐待の増加が最も優先されます。
地域診断で見つかった健康課題の優先度は、生命への影響の大きさ、緊急性、影響を受ける人の数、放置したときの深刻さ、対策による改善の見込みなどを合わせて判断します。中でも、生命や身体に重大な危険が及ぶおそれのある課題は、最も優先して取り組む対象になります。
高齢者が高齢者を介護する世帯で、介護負担から虐待が増えているという課題は、被害を受けた高齢者の生命や身体に直接危険が及ぶもので、早急な介入が必要です。介護する側も高齢で疲れがたまりやすく、介護者への支援も合わせて考えなければならない深刻な状況です。
一方、認知症高齢者の増加、豪雪地帯での閉じこもりの増加、地域のつながりの希薄化による交流の減少は、いずれも高齢化の進んだ地域で重要な課題ですが、すぐに生命の危険につながる性質のものではなく、中長期的に予防的な対策を組み立てていく課題です。
優先度を問われたら、まず生命の危険と緊急性が最も大きいものを選ぶ、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1後期高齢者の増加に伴う認知症高齢者の増加:後期高齢者の増加に伴って認知症高齢者が増えることは、高齢化の進んだ市で予想される大きな課題です。ただし、すぐに生命が脅かされる状況ではなく、計画的に備える性質の課題なので優先度は下がります。
- 2豪雪地帯に居住する高齢者の閉じこもりの増加:豪雪地帯での閉じこもりは、心身の機能低下や孤立につながる課題ですが、季節に応じた予防的な支援で対応していくものです。差し迫った危険のある虐待と比べると、緊急性が低くなります。
- 3地域社会の希薄化によって社会との交流が減少した高齢者の増加:地域社会の希薄化による交流の減少は、地域づくりを通じて時間をかけて改善を図る課題です。生命の危険に直結する緊急の課題ではないため、ここでは優先度が高いとはいえません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問6(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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