第109回 午後 問5
公衆衛生看護学概論
公衆衛生の説明で正しいの
健康な地域づくりの基盤である公衆衛生の説明で正しいのはどれか。
- 1経済効率を優先して実施される。
- 2根拠となるのは健康増進法である。
- 3地域社会の組織的な努力を通じて行われる。
- 4個人のセルフケア能力の開発が施策の主軸である。
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✓ これが正解3地域社会の組織的な努力を通じて行われる。
解説
公衆衛生は、地域社会の組織的な努力を通じて行われる活動です。
公衆衛生の古典的な定義として、ウィンスローは、公衆衛生を、地域社会の組織的な努力を通じて、疾病を予防し、寿命を延ばし、身体的・精神的な健康と能率の増進を図る科学であり技術である、と説明しました。判断の軸は、個人の力だけでなく、地域社会がまとまって取り組むことに重点があるかどうかです。
地域社会の組織的な努力を通じて行われるという説明は、この定義の中心部分と合っています。公衆衛生は、行政・住民・関係機関が協力して、生活環境の改善、感染症の予防、健康教育、保健医療の仕組みづくりなどに取り組む活動です。
ほかの説明を見ると、経済効率を最優先にするものではなく、根拠となる法律も健康増進法1つに限られません。個人のセルフケア能力を高めることは大事ですが、それだけを主軸にすると、地域全体で環境や仕組みを整えるという公衆衛生の特徴が抜けてしまいます。公衆衛生のキーワードは、組織的な努力と地域社会の2つだと覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1経済効率を優先して実施される。:公衆衛生は人々の健康と生命を守ることを目的とした活動です。費用対効果を考えることはありますが、経済効率を何より優先するわけではないため、公衆衛生の説明としては適切ではありません。
- 2根拠となるのは健康増進法である。:健康増進法は公衆衛生に関わる法律の1つですが、公衆衛生の活動は地域保健法、感染症法、母子保健法など多くの法律に支えられています。根拠を健康増進法だけに限るのは誤りです。
- 4個人のセルフケア能力の開発が施策の主軸である。:個人のセルフケア能力を育てることは健康づくりの一部ですが、公衆衛生は地域社会全体で環境や制度を整えて健康を守ることに特徴があります。個人の能力開発を主軸とする説明は合いません。
出典:第109回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問5(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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