第40回 午後 問135
臨床栄養学
特定集中治療室に関する問題
特定集中治療室に入室中の受傷後3日目のⅢ度熱傷患者である。患者の病態および栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1基礎代謝は、受傷当日と比べて低下する。
- 2血糖値は、受傷当日と比べて低下する。
- 3炎症性サイトカインは、受傷当日と比べて増加する。
- 4経腸栄養は、禁忌である。
- 5輸液の水分量は、10 mL/kg現体重/日とする。
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✓ これが正解3炎症性サイトカインは、受傷当日と比べて増加する。
解説
受傷後3日目は代謝が高まる時期で、炎症性サイトカインは増えます。
重症の熱傷では、受傷直後の1〜2日ほどは、ショックを起こしやすく代謝がむしろ低下する時期(干潮期)があり、その後、代謝が大きく高まる時期(満潮期、異化亢進期)に移ります。代謝が高まる時期には、炎症性サイトカインやストレスホルモンが増えて、エネルギー消費の増加、たんぱく質の分解の亢進、高血糖などがみられます。
受傷後3日目は、この代謝が高まる時期に入っていく段階で、受傷当日と比べて炎症性サイトカインは増加します。したがって、この記述が最も適当です。ほかの記述は、代謝や血糖の動く向きを逆に述べている、早期に始めることが勧められる栄養法を禁忌としている、必要な輸液の量を大きく少なく見積もっている、という点で誤りです。
熱傷の病態は、受傷直後の代謝が低下する時期と、その後の代謝が高まる時期という2つの段階で整理すると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1基礎代謝は、受傷当日と比べて低下する。:受傷当日はショックを伴って代謝が抑えられやすい時期ですが、3日目には異化が進む時期に入り、エネルギーの消費は大きく増えます。基礎代謝が低下するという記述は、この変化と逆向きです。
- 2血糖値は、受傷当日と比べて低下する。:異化が進む時期には、コルチゾールやカテコールアミンなどのホルモンが増え、インスリンの効きも悪くなるため、血糖値は上がりやすくなります。低下するという記述は逆です。
- 4経腸栄養は、禁忌である。:熱傷の患者でも、腸が使える状態であれば経腸栄養を早めに始めることが勧められます。腸の粘膜の萎縮を防ぎ、腸内の細菌が体内に入り込むことを減らす効果が期待されるため、禁忌ではありません。
- 5輸液の水分量は、10 mL/kg現体重/日とする。:広い範囲の熱傷では、傷んだ皮膚や血管から大量の水分が失われるため、体重と熱傷の面積に応じた多量の輸液が必要です。10 mL/kg現体重/日では、通常の維持量にも届かないほど少なすぎます。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問135(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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