第40回 午後 問134
臨床栄養学
COPDに関する問題
COPD患者の病態および栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1動脈血酸素分圧が上昇する。
- 21秒率が上昇する。
- 3安静時エネルギー消費量が増加する。
- 4たんぱく質を制限する。
- 5リンを制限する。
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✓ これが正解3安静時エネルギー消費量が増加する。
解説
呼吸の仕事量が増え、安静時エネルギー消費量は増加します。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に長年の喫煙によって気道や肺胞が傷み、息を吐き出しにくくなる病気です。気流の閉塞のため、呼吸に使う筋肉に大きな負担がかかり、呼吸そのものに多くのエネルギーを使います。このため安静時エネルギー消費量が増加し、食事量の低下も重なって、体重減少や低栄養をきたしやすくなります。したがって、安静時エネルギー消費量が増加するという記述が最も適当です。
ほかの記述は、肺の機能の検査値の動く向きを逆に述べているか、栄養管理で十分にとるべき栄養素を制限するとしているもので、COPDの病態と合いません。COPDでは消費が増えて筋肉が落ちやすいので、エネルギーと栄養素を十分に補うことが栄養管理の基本です。
COPDの栄養管理は、消費が増えるので、エネルギーもたんぱく質も十分に補う、という方向で覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1動脈血酸素分圧が上昇する。:COPDでは肺胞が壊れ、気道も狭くなるため、肺で十分に酸素を取り込めません。動脈血酸素分圧は上昇ではなく低下し、進行すると在宅酸素療法が必要になることがあります。
- 21秒率が上昇する。:1秒率は、最初の1秒間に吐き出せる息の割合です。COPDでは気道が狭くなって息を吐き出しにくいので、1秒率は低下します。上昇するという記述は逆です。
- 4たんぱく質を制限する。:COPDでは体重減少や筋肉の減少がよくみられ、呼吸筋の力を保つためにもたんぱく質を十分にとることが大切です。腎臓病のようにたんぱく質を制限する理由はありません。
- 5リンを制限する。:リンは、エネルギーを生み出すATPの材料として筋肉の働きに欠かせません。不足すると呼吸筋の力が低下するので、COPDの患者ではリンを制限せず、十分にとるようにします。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問134(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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