第40回 午後 問103
栄養教育論
認知行動療法に関する問題
K市保健センターの管理栄養士である。市が行う栄養相談で、健診で肝機能異常を指摘された女性から、「肝臓の数値は気になりますが、食事に合わせて選ぶお酒が美味しいので、家でついつい飲む回数が増えてしまいます。」と相談された。認知行動療法を用いた支援である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 1飲酒が肝臓に与える影響について、説明する。
- 2節酒により検査値が改善した時の、自分の気持ちを想像してもらう。
- 3家に買い置くのは酒類ではなく、ノンアルコール飲料にすることを勧める。
- 4飲まずに済んだ日の行動を聞き取り、一緒に分析する。
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✓ これが正解3家に買い置くのは酒類ではなく、ノンアルコール飲料にすることを勧める。
解説
酒類を買い置かずノンアルコール飲料にするのが該当します。
認知行動療法は、考え方(認知)と行動の両面に働きかけ、望ましくない習慣を変えていく方法です。栄養教育では、行動のきっかけとなる環境を整える刺激統制、別の行動に置きかえる行動置換、記録による自己観察などの行動技法と、考え方のくせを見直す認知再構成などを組み合わせて用います。
この女性は、家に酒があり、食事に合わせて選ぶ楽しみがあるために、つい飲む回数が増えています。家に買い置くものを酒類ではなくノンアルコール飲料にすると、飲酒のきっかけとなる刺激が家の中から減り、飲む行動を起こしにくくなります。これは刺激統制の考え方に基づく具体的な行動の支援で、認知行動療法を用いた支援として最も適切です。ほかの3つは、知識を増やす、意欲を高める、うまくいった日に目を向ける、という関わりで、飲酒のきっかけそのものを変えてはいません。
認知行動療法を問われたら、行動のきっかけや結果を具体的に変えているかどうかに注目すると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1飲酒が肝臓に与える影響について、説明する。:飲酒が肝臓に与える影響を説明するのは、知識を提供する働きかけです。知識が増えても、家に酒があってつい飲むという状況は変わらず、行動のきっかけを変える技法にはなっていません。
- 2節酒により検査値が改善した時の、自分の気持ちを想像してもらう。:節酒で検査値が良くなったときの気持ちを想像してもらうのは、変わることへの意欲を高める動機づけの働きかけです。飲酒につながる環境や行動を具体的に変える支援ではありません。
- 4飲まずに済んだ日の行動を聞き取り、一緒に分析する。:飲まずに済んだ日の行動を一緒に分析するのは、うまくいった例外に目を向け、本人の力を引き出す関わりです。家に酒があるという飲酒のきっかけを減らす働きかけには直接なっていません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問103(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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