第40回 午後 問102
栄養教育論
イノベーション普及理論の問題
K中学校の栄養教諭である。給食がない夏休みにおいてもバランスのとれた昼食を摂れるよう、家庭科教諭と連携し、夏休み前に「昼食料理動画」を作成し、夏休みに入ってからそれを配信することにした。イノベーション普及理論の「試行可能性」を用いた動画の普及方法として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1動画作成において、調理と片付けが簡単な料理を選ぶ。
- 2動画作成において、できるだけ多くの料理を取り上げる。
- 3動画は、スマートフォンで視聴可能な大きさにする。
- 4夏休みに入る前の家庭科の調理実習で、動画に収載した料理1品を取り上げる。
- 5「昼食料理動画」を活用して夏休み中に作った料理の写真を、学校が管理するウェブサイトで共有するよう、生徒に促す。
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✓ これが正解4夏休みに入る前の家庭科の調理実習で、動画に収載した料理1品を取り上げる。
解説
夏休み前の調理実習で一品を試してもらうのが試行可能性です。
イノベーション普及理論は、新しい考え方や行動が人々に広がっていく過程を説明する理論です。普及の速さに関わるイノベーションの特性として、相対的優位性、適合性、複雑性、試行可能性、観察可能性の5つが知られています。試行可能性は、本格的に取り入れる前に、小さな規模で試してみることができるかどうかを表します。
夏休みに入る前の家庭科の調理実習で、動画に載せた料理を1品取り上げると、生徒は動画を見て家で一人で作る前に、学校で実際に作ってみる経験ができます。試しにやってみる機会を前もって用意しているので、試行可能性を用いた普及方法にあたります。ほかの方法は、取り組みやすさ、ふだんの生活との合いやすさ、成果の見えやすさに関わる工夫か、どの特性にも結びつかない工夫です。
5つの特性は、得になるか、合っているか、簡単か、試せるか、見えるか、という問いに置き換えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1動画作成において、調理と片付けが簡単な料理を選ぶ。:調理と片付けが簡単な料理を選ぶのは、取り組むときのわかりにくさや手間を減らす工夫で、複雑性に関わります。前もって試してみる機会をつくるものではありません。
- 2動画作成において、できるだけ多くの料理を取り上げる。:できるだけ多くの料理を取り上げると、動画の内容が増えて、かえって取りかかりにくくなるおそれがあります。小さく試す機会を用意するという試行可能性の考え方とも結びつきません。
- 3動画は、スマートフォンで視聴可能な大きさにする。:スマートフォンで見やすい大きさにするのは、生徒がふだん使う機器に合わせる工夫で、適合性に関わると考えられます。実際に作って試す機会はつくられていません。
- 5「昼食料理動画」を活用して夏休み中に作った料理の写真を、学校が管理するウェブサイトで共有するよう、生徒に促す。:作った料理の写真をウェブサイトで共有すると、ほかの生徒の取組や成果が目に見えるようになります。これは観察可能性を高める工夫で、試しにやってみる機会の提供ではありません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問102(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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