平成25年度 秋期 午前 問43
セキュリティ
ハッシュ値を利用する目的
ディジタルフォレンジックスでハッシュ値を利用する目的として,適切なものはどれか。
- ア一方向性関数によってパスワードを変換して保存する。
- イ改変された証拠を復元する。
- ウ証拠と原本との同一性を証明する。
- エパスワードの盗聴の有無を検証する。
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✓ これが正解ウ証拠と原本との同一性を証明する。
解説
証拠が原本と同じであることを示すために使います。
設問は、デジタルフォレンジックスでハッシュ値を利用する目的として適切なものを選ばせています。縛りは二つあり、その記述が証拠の話をしているか、そしてハッシュ値の性質に合っているかです。デジタルフォレンジックスは、不正や事故が起きたときに、法廷で通用する形でデータを保全して示すための調査を指します。ですから主題は証拠であって、利用者の認証ではありません。現場では、押収した機器の記憶内容をまるごと複製し、その直後に値を計算して立会人と共有します。調査は原本ではなく複製に対して行い、後日その値をもう一度計算して突き合わせます。一ビットでも変われば値はまったく別のものになるため、短い値が一致することが、長いデータ全体が変わっていないことの裏付けになります。よって、証拠と原本との同一性を証明する、という記述が当てはまります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア一方向性関数によってパスワードを変換して…:利用者の合言葉を守るための使い方であり、ハッシュ値の用途としては正しいものです。落ちるのは主題のほうで、この設問は法廷で使う調査の話に限っているので、認証の仕組みを述べたものは外れます。
- イ改変された証拠を復元する。:書き換えられたデータを元の姿に戻したい、という願いは調査の現場と重なります。ただしハッシュ値は計算すると戻せない値なので、そこからもとのデータを作り出すことはできず、手段として成り立ちません。
- エパスワードの盗聴の有無を検証する。:通信の途中で合言葉を見られたかどうかを調べる、という筋書きであり、やはり認証と通信の話にあたります。押収したデータが変わっていないことを示す、という調査の目的とはつながりません。
この問題の用語
- デジタルフォレンジックス起きた出来事の証拠を、変えないまま集めて調べる手立て(古い表記はディジタルフォレンジックス)。後から証拠として使えるよう、扱いの筋道を記録に残します。
- ハッシュ値データから計算した固定長の値のこと。同じデータなら必ず同じ値になるので、データの比較や検索を速くするのに使われます。
- パスワード本人だけが知っているという前提で使う合言葉。他人に知られた時点で、本人確認の役目を果たさなくなります。
- 証拠あとから事実を確かめられるように残した記録のこと。法的な場面で使えるように集めて保管し調べる手順を、デジタルフォレンジックスと呼びます。
- 盗聴通信の途中で、内容をひそかに読み取ること。経路を暗号化しておけば、読み取られても中身は分かりません。
出典:平成25年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問43
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問44:デジタルフォレンジックスの問題(デジタルフォレンジックス)
- 令和7年度 秋期 午前 問38:サイドチャネル攻撃に関する問題(パスワード)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(証拠)
- 令和7年度 春期 午前 問44:ストレッチングに該当するもの(ハッシュ値)
- 令和5年度 春期 午前 問43:アクセスポイントに関する問題(盗聴)
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