平成24年度 春期 午前 問38
セキュリティ
ハッシュ関数の特徴
ディジタル署名などに用いるハッシュ関数の特徴はどれか。
- ア同じメッセージダイジェストを出力する異なる二つのメッセージが,容易に求められる。
- イメッセージが異なっていても,メッセージダイジェストは同じである。
- ウメッセージダイジェストからメッセージを復元することは困難である。
- エメッセージダイジェストの長さはメッセージの長さによって異なる。
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✓ これが正解ウメッセージダイジェストからメッセージを復元することは困難である。
解説
ダイジェストから元の文書へは戻せません。
ハッシュ関数には求められる性質がいくつかあり、この設問の四つの選択肢は、そのうちの一つを正しく述べた文と、残りを打ち消した文とでできています。見分けの軸は、その記述が求める性質を述べているのか、それとも裏返して壊しているのか、という一点です。正しく述べているのは、メッセージダイジェストから元のメッセージを取り戻すことが難しい、という記述で、これは一方向性と呼ばれます。入り口から出口へは簡単に進めるのに、出口から入り口へは戻れない、という向きの偏りが、この関数の値打ちです。なぜこれが必要なのかは、使われ方から逆に考えると分かります。デジタル署名は、長い文書そのものにではなく、そこから作ったダイジェストに対して行います。もし戻せてしまうなら、署名のために外へ出した値から中身が読み取れてしまいます。ハッシュ関数を見たら、まず向きの偏りを思い出してください。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア同じメッセージダイジェストを出力する異な…:同じ値になる別の文書が容易に見つかるなら、署名をそのまま貼り替えた偽物を作られてしまいます。実際に衝突が見つかった古い方式が署名の用途から外されたのは、まさにこれが理由です。
- イメッセージが異なっていても,メッセージダ…:中身が違っていても出てくる値が同じだとしたら、書き換えられても値が変わらないことになり、改ざんの検出にまったく使えません。関数として壊れている状態を述べた文です。
- エメッセージダイジェストの長さはメッセージ…:出てくる値の長さが入力の長さに連れて変わるのなら、長い文書を短く縮めて扱いやすくするという利点が消えます。実際の方式は、入力が一文字でも非常に長くても決まった長さを返します。
この問題の用語
- メッセージダイジェスト元のデータをハッシュ関数にかけて得られる、短い値のことです。ここから元のデータへ戻すことは難しく、長さは一定になります。
- ハッシュ関数どんな長さのものからも決まった長さの値を作り出す計算。少しでも中身が変われば、できあがる値は大きく変わります。
- デジタル署名送り主が本人であることと、途中で中身が変わっていないことを同時に示す電子の印(古い表記はディジタル署名)。秘密鍵で作り、公開鍵で確かめます。
- ディジタル署名デジタル署名の古い書き方で、指しているものは同じです。改ざんを見つけられるだけで、改変そのものを防ぐ力はありません。
出典:平成24年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問38
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問45:デジタル署名に関する問題(デジタル署名)
- 令和7年度 秋期 午前 問5:ベストフィット方式の特徴(ハッシュ関数)
- 令和5年度 春期 午前 問38:デジタル署名の検証鍵と使用方法(メッセージダイジェスト)
- 令和2年度 10月 午前 問42(ディジタル署名)
- 平成24年度 秋期 午前 問38:ハッシュ関数に関する問題(メッセージダイジェスト)
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