第28回 問題20
精神保健福祉の原理
次のうち,「精神保健福祉法」の精神障害者の定義に示されているものとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者
- 2精神作用物質による急性中毒又はその依存症の者
- 3発病の機構が明らかでなく,かつ,治療方法が確立していない希少な疾病の者
- 4職業生活を営むことが著しく困難な者
- 5静止時振戦,筋固縮,寡動・無動,姿勢反射障害の症状がみられる者(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
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✓ これが正解2精神作用物質による急性中毒又はその依存症の者
解説
精神保健福祉法は精神作用物質による急性中毒や依存症の者を定義に含めます。
精神保健福祉法で精神障害者がどのように定義されているかを問う問題です。同法第5条第1項は、精神障害者を、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害その他の精神疾患を有する者と定めています。アルコールや薬物などの精神作用物質による急性中毒や依存症の者は、この定義に明記されています。
この定義は、精神疾患を有する者という医学的な診断を基礎にしている点が特徴です。これに対し、障害者基本法などの福祉の法律は、社会的障壁によって生活に制限を受けているかどうかという視点で障害者を定めています。同じ精神障害のある人でも、法律によって定義の考え方が違うことを押さえておくことが大切です。
ほかの肢は、別の法律の定義や、特定の病気の症状を並べたものです。社会的障壁による制限は障害者基本法、希少な疾病は難病の患者に対する医療等に関する法律、職業生活の困難は障害者の雇用の促進等に関する法律の考え方にあたり、静止時振戦などはパーキンソン病の主な症状です。
したがって正しいのは、精神作用物質による急性中毒又はその依存症の者です。精神保健福祉法の定義は病名を並べる形、と覚えておくと他の法律の定義と区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1社会的障壁により継続的に日常生活又は社会…:社会的障壁によって日常生活や社会生活に継続的に相当な制限を受ける状態にある者という定め方は、障害者基本法の障害者の定義の考え方です。精神保健福祉法は病名を挙げる形で定義しています。
- 3発病の機構が明らかでなく,かつ,治療方法…:発病の仕組みが明らかでなく治療方法が確立していない希少な疾病という表現は、難病の患者に対する医療等に関する法律が難病を説明する際の考え方です。精神保健福祉法の定義ではありません。
- 4職業生活を営むことが著しく困難な者:職業生活を営むことが著しく困難な者という表現は、障害者の雇用の促進等に関する法律が障害者を定める際の考え方にあたります。精神保健福祉法の定義には含まれていません。
- 5静止時振戦,筋固縮,寡動・無動,姿勢反射…:静止時のふるえ、筋肉のこわばり、動作の遅さ、姿勢を保ちにくいといった症状は、パーキンソン病の主な症状として知られています。精神保健福祉法の精神障害者の定義に書かれたものではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題20。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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