第28回 問題18
現代の精神保健の課題と支援
WHO(世界保健機関)のメンタルヘルス・ギャップ・アクション・プログラム(mhGAP)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1「メンタルヘルスなしに健康なし」を原則とした精神保健行動計画である。
- 2疾患による損失生存年数と障害生存年数を合計して求める健康指標である。
- 3SDGs(持続可能な開発目標)の採択に基づき作成された。
- 4世界各国の精神保健資源に関する基礎データを収集した情報報告書である。
- 5精神保健体制の国家間の格差を縮小することを目的としている。
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✓ これが正解5精神保健体制の国家間の格差を縮小することを目的としている。
解説
mhGAPは国の間の精神保健の格差を縮めることを目指す計画です。
WHOのメンタルヘルス・ギャップ・アクション・プログラム(mhGAP)の目的を問う問題です。mhGAPは、WHOが2008年に始めた取組みで、精神疾患、神経疾患、物質使用による障害について、治療やケアを必要としているのに受けられていない人が多いという差(ギャップ)を縮めることを目指しています。
とくに、精神保健の専門職や資源が少ない低所得国・中所得国で、プライマリケアの場などでも支援が行えるよう、ガイドや研修の仕組みを整えることに力を入れています。豊かな国と資源の乏しい国との間にある精神保健体制の格差を小さくしようとする点が、このプログラムの特徴です。
ほかの肢は、別の計画や指標、報告書の説明です。病気による早死にの年数と障害を抱えて生きる年数を合わせた健康指標は障害調整生命年(DALY)、各国の精神保健資源のデータを集めた報告書はWHOのメンタルヘルス・アトラスの説明にあたります。また、mhGAPはSDGsの採択(2015年)より前に始まっています。
したがって正しいのは、精神保健体制の国家間の格差を縮小することを目的としているという記述です。名前のギャップは治療の格差を指す、と押さえておくと覚えやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「メンタルヘルスなしに健康なし」を原則とした精神保健行動計画である。:メンタルヘルスなしに健康なしという言葉は、精神保健の重要性を示す標語として広く用いられています。この記述は、その考え方を土台にした行動計画を説明したもので、治療の格差を縮めるmhGAPの目的とは異なります。
- 2疾患による損失生存年数と障害生存年数を合計して求める健康指標である。:早く亡くなったことで失われた年数と、障害を抱えて過ごした年数を合計した健康指標は、障害調整生命年(DALY)です。病気の負担を測る指標であり、mhGAPの説明ではありません。
- 3SDGs(持続可能な開発目標)の採択に基づき作成された。:SDGsが国連で採択されたのは2015年で、mhGAPはそれより前の2008年に始まっています。SDGsの採択を受けて作られたという説明は成り立ちません。
- 4世界各国の精神保健資源に関する基礎データを収集した情報報告書である。:世界各国の精神保健の政策や人材、施設などの基礎データを集めて報告するのは、WHOのメンタルヘルス・アトラスです。mhGAPは治療の格差を縮める行動計画です。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題18。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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