第61回 午前 問18
理学療法治療学
メタボリックシンドロームの問題
58歳の男性。身長160 cm、体重90 kg、腹囲120 cm、血圧150/90 mmHg。産業医よりメタボリックシンドロームに対する運動を習慣づけるよう指示された。最も適切な運動形式はどれか。
- 1階段昇降
- 2自転車エルゴメーター
- 3腹筋筋力トレーニング
- 4プランク
- 5ランニング
答えと解説を見る
✓ これが正解2自転車エルゴメーター
解説
膝への負担が少ない自転車エルゴメーターが適切です。
この男性は、身長160 cm、体重90 kgで、BMIは90÷(1.6×1.6)=約35と高度の肥満です。腹囲も大きく、血圧も高めです。メタボリックシンドロームの改善には、内臓脂肪を減らす有酸素運動を習慣にすることが中心になります。同時に、体重が重い人では膝などの関節への負担と、急な血圧の上昇を避ける工夫が必要です。
自転車エルゴメーターは、座ったままペダルをこぐ運動で、体重がサドルに支えられるため膝や足首への衝撃が少なくて済みます。負荷を細かく調整でき、心拍数や血圧を確かめながら一定の強さで続けやすい点も、運動を習慣づける目的に合っています。ほかの肢は、関節への衝撃が大きいもの、有酸素運動にならないもの、息をこらえて血圧を上げやすいものです。
したがって、最も適切な運動形式は自転車エルゴメーターです。肥満の強い人の有酸素運動は、体重を支えられる運動から始める、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1階段昇降:階段昇降は体重を持ち上げる運動で、膝への負担が大きく、心拍数や血圧も急に上がりやすくなります。高度の肥満と高血圧があるこの男性が習慣にする運動としては適しません。
- 3腹筋筋力トレーニング:腹筋の筋力トレーニングは局所の筋を鍛える運動で、有酸素運動ではありません。腹部の筋を鍛えても、その部分の脂肪だけが減るわけではなく、内臓脂肪を減らす主な手段になりません。
- 4プランク:プランクは姿勢を保ち続ける等尺性の運動で、息をこらえやすく血圧が上がりやすい特徴があります。全身の脂肪を燃やす有酸素運動としての効果は小さく、この目的に合いません。
- 5ランニング:ランニングは着地のたびに体重の何倍もの衝撃が膝や足首にかかります。体重90 kgの人がいきなり始めると関節を痛めやすく、運動を習慣づける最初の選択としては適しません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問18(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)