第60回 午前 問8
理学療法治療学
理学療法治療学に関する問題
60歳の男性。交通事故による右足部の開放骨折のため入院した。1週後に右足部の腫脹、熱感が出現し、右中足骨の骨髄炎と診断され、右足関節離断術が施行された。製作すべき義足はどれか。
- 1PTB式下腿義足
- 2TSB式下腿義足
- 3吸着式下腿義足
- 4サイム義足
- 5足根中足義足
答えと解説を見る
✓ これが正解4サイム義足
解説
足関節離断の高さに用いる義足は、サイム義足です。
義足は、切断(離断)の高さに合わせて種類が決まります。足関節離断は、足関節の部分で足部を切り離し、脛骨と腓骨の下端が残る切断で、この高さに用いる義足がサイム義足です。断端の末端で体重を支えやすいことが特徴で、ソケットは下端が膨らんだ断端を収める形に作られます。
PTB式下腿義足、TSB式下腿義足、吸着式下腿義足は、いずれも下腿の途中で切断した下腿切断に用いる義足で、膝蓋腱や断端の表面で体重を受けるようにソケットの形が工夫されています。足関節離断では下腿の骨が下端まで残るため、下腿切断用の義足は高さが合いません。足根中足義足は、足根中足関節(リスフラン関節)付近で足部の前方を切断した場合に使う、足部の一部を補う義足で、足関節より遠位の切断が対象です。
したがって、右足関節離断術が行われたこの患者に製作する義足はサイム義足です。切断の高さを足部・足関節・下腿の順に並べ、それぞれの高さに対応する義足の名前を一対一で結び付けて覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1PTB式下腿義足:PTB式は、膝蓋腱で主に荷重を受けるソケットの形式です。断端が下腿の中ほどまでの場合を想定しており、脛骨の下端まで残る断端とは合いません。
- 2TSB式下腿義足:TSB式下腿義足は断端の表面全体で体重を受ける方式のソケットを持つ、下腿切断用の義足です。足関節の高さで離断した断端には、高さが合いません。
- 3吸着式下腿義足:吸着式下腿義足も下腿切断用の義足の一つで、ソケットと断端を密着させて義足を保持します。足関節の高さで離断した断端に用いるものではありません。
- 5足根中足義足:足根中足義足は、前足部だけを失った場合に、靴の中で足先の形を補うものです。踵や足関節は本人のものが残ることが前提なので、足関節で離断した場合には使えません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)