第60回 午後 問13
理学療法治療学
Cobb角に関する問題
15歳の女子。検診で体幹前屈による肋骨の突出を認め受診した。レントゲン検査で胸椎に30度のCobb角を認めた。処方された体幹装具を図に示す。この装具の名称はどれか。
装具の図:
- 骨盤を覆う骨盤帯から、前面に1本、後面に2本の金属の支柱が頸部まで伸び、頸部を囲むリング(前面に喉の当て、後面に後頭部の当て)につながっている。
- 胸部・体幹の側面にパッドとストラップが付いている。
- 1Halo装具
- 2Jewett装具
- 3Milwaukee装具
- 4SOMI装具
- 5Taylor型装具
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✓ これが正解3Milwaukee装具
解説
頸部リングと骨盤帯を支柱でつなぐ側弯症の装具はMilwaukee装具です。
特発性側弯症は思春期の女子に多く、体を前に倒すと肋骨が片側だけ盛り上がる肋骨隆起が手がかりになります。Cobb角は側弯の曲がりの角度で、成長期に一定以上の角度があると、進行を防ぐために体幹装具が処方されます。
図の装具は、骨盤を包む骨盤帯から前面1本・後面2本の金属支柱が頸部まで伸び、喉と後頭部の当てを持つ頸部リングにつながっています。胸部の側面にはパッドが付いていて、側弯の凸側を押して矯正します。このように頸椎から骨盤までを支える頸胸腰仙椎装具の形は、Milwaukee装具の特徴です。胸椎の高い位置の側弯にも矯正の力を加えられます。
他の装具は対象や形が異なります。Halo装具は頭蓋骨にピンで固定する頸椎の装具、Jewett装具は胸腰椎を伸展位に保つ装具、SOMI装具は頸椎を固定する装具、Taylor型装具は胸腰椎の後面支柱型の装具です。
したがって、図の装具はMilwaukee装具です。頸部のリングがあって骨盤まで支柱が通る側弯症の装具、と形で覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Halo装具:Halo装具は頭蓋骨にピンで留めたリングを、支柱でベストにつないで頸椎を強く固定する装具です。頸椎の骨折や術後に用いるもので、骨盤帯から支柱を立てて側弯を矯正する図の装具とは異なります。
- 2Jewett装具:Jewett装具は胸骨と恥骨の前面パッドと背部のパッドの3点で体幹を伸展位に保つ装具で、胸腰椎の圧迫骨折などに用います。頸部のリングはなく、側弯の矯正を目的としていません。
- 4SOMI装具:SOMI装具は胸骨と後頭部・下顎の当てで頸椎を固定する装具で、頸椎の外傷や術後に用います。骨盤帯がなく、胸椎の側弯を側方から矯正する構造にはなっていません。
- 5Taylor型装具:Taylor型装具は骨盤帯から背部へ2本の支柱を立て、肩のベルトで体幹を支える胸腰椎の装具です。頸部のリングや前面の支柱はなく、図の装具とは形が異なります。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問13(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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