第59回 午後 問46
理学療法治療学
NICUに関する問題
NICU入室中の低緊張児に対する理学療法で優先順位が低いのはどれか。
- 1装具療法
- 2運動発達指導
- 3呼吸理学療法
- 4ポジショニング
- 5保護者への育児指導
答えと解説を見る
✓ これが正解1装具療法
解説
NICUの低緊張児では、装具療法の優先順位が最も低くなります。
NICU(新生児集中治療室)に入室している筋緊張の低い児では、全身状態を安定させ、発達を支える環境を整えることが理学療法の中心になります。低緊張児は自分で姿勢を保ちにくく、手足が外へ開いた平らな姿勢になりやすいため、体を丸めた姿勢に整える支援が重要です。また、痰を出しにくく呼吸の問題を起こしやすいことへの対応、発達の状態に応じた働きかけ、退院後の生活に向けた家族への支援も、この時期から行われます。
装具療法は、変形を矯正したり関節を固定・支持したりするために装具を用いる方法です。骨格が成長の途中で、全身状態の安定を優先すべきNICUの時期には、優先順位が低いと考えられます。必要になるとしても、成長して座位や立位を練習する段階で検討されるのが一般的です。
NICUでは、呼吸と姿勢を整え、発達を促し、家族を支える、の3つを優先すると覚えておくと、優先順位の問いで判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2運動発達指導:低緊張児は自分で体を動かす経験が少なくなりやすく、発達の状態に合わせて動きや姿勢の経験を促す指導が早くから必要です。NICUでも状態に応じて行われ、優先順位が低いとはいえません。
- 3呼吸理学療法:筋緊張が低い児は咳の力が弱く、痰を自分で出しにくいため、呼吸器の合併症を起こしやすくなります。痰の排出を助ける呼吸理学療法は全身状態の安定に直結し、優先度の高い介入です。
- 4ポジショニング:手足が外へ開いた平らな姿勢が続くと、関節の変形や呼吸のしにくさにつながります。タオルなどで体を丸めた姿勢に整えるポジショニングは、NICUの理学療法の基本となる介入です。
- 5保護者への育児指導:保護者が抱き方や姿勢の整え方を身につけることは、退院後の生活と児の発達を支えるうえで欠かせません。NICUにいる時期から家族を支援することは、優先度の高い関わりです。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問46(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)