プロジェクトの調達|プロジェクトマネージャ試験
この分野には 11問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語は契約(9問)・調達(8問)です。問題が多い回は令和6年度 秋期(2問)・令和4年度 秋期(1問)・令和3年度 秋期(1問)です。
費用が膨らんだとき誰が負うかで契約を見分ける
調達の契約は、コストが予想より増えたときに、その増加分を誰が負うかで見分けます。定額契約では、納入者が決められた金額で成果物を完成させる義務を負うので、費用の超過は納入者の負担です。要求仕様が明確でないまま金額を固定すると、納入者のリスクが最も高くなります。
実費償還契約は、業務の遂行に実際に要した費用を発注者が支払い、それに役務や技術への報酬を加える契約で、費用が膨らむリスクは発注者が負います。作業の範囲や量を最初に確定しにくいときに向きます。コストプラスインセンティブフィー契約はその一つで、実コストが目標コストを下回れば差額の一定割合をフィーに加え、上回れば差し引いて、受注者にコストを抑える動機を与えます。
複数の会社が関わる場合は、契約ごとに切り分けて考えます。発注者と受注者の間が定額契約で、遅れの原因が受注者の側にあれば、その契約の範囲で生じた追加費用は受注者が負います。受注者がさらに別の会社と実費償還で契約していれば、そこで増えた費用は受注者が支払う側になります。
調達作業範囲記述書(SOW)は、納入候補者が提供できるかを判断できるよう、仕様、数量、品質水準、実施期間、作業場所や、完了後の運用サポートなど、調達する対象の範囲を詳しく書く文書です。外部に委託した開発では、全工程が終わってからまとめて検査するのではなく、工程の区切りごとに成果物を提出させて検査し、問題があれば原因を特定させて是正させると、欠陥が後まで残りにくくなります。
機器のレンタル台数のように月単位で費用を求める計算では、使い始める前の準備や使い終えた後の処理の期間も借りておく必要があります。人数が一時的に減ってまた増えるときは、返して借り直すより手元に置き続ける方が安く済むことがあるので、月ごとの必要台数を並べて最小になる借り方を探します。
この分野で出た問題
- 令和6年度 秋期 問12新しく編成するプロジェクトチームの開発要員投入計画に基づいて PC をレンタルで調達する。調達の条件を満たすレンタル費用の最低金額は何千円か。
- 令和4年度 秋期 問20IoT を活用した工場管理システムの開発を行う。システムを構築し,サービスを運営する A 社は,B 社にボード開発を定額契約で委託した。B 社はボードの納入前のネットワーク試験のため,工場の設備を管理する C 社と実費償還契約を締結し,工場の一部区画とネットワークを借用した。C 社のネットワーク設備に故障はなく,B 社の人的リソース不足が原因でネットワーク試験の作業が遅延し,追加の費用が発生したとき,その費用を負担すべき会社はどれか。ここで,各社は契約を正当に履行するものとする。また,定額契約を交わした時点では,開発のスコープは十分明確で,契約以降の変更はないものとする。
- 平成30年度 春期 問15PMBOKガイド 第5版によれば,プロジェクト調達マネジメントにおける調達作業範囲記述書に記載すべき項目はどれか。
- 令和6年度 秋期 問20システム開発における発注者と受注者であるベンダーとの契約方法のうち,実費償還契約はどれか。
- 平成24年度 春期 問15外部調達における契約形態のうち,請け負った作業に掛かったコストに加えて,契約時に合意したパフォーマンスの基準を達成した場合に受注者が所定の利益(フィー)を受け取る契約タイプはどれか。
- 令和2年度 10月 問13次の契約条件でコストプラスインセンティブフィー契約を締結した。完成時の実コストが 8,000 万円の場合,受注者のインセンティブフィーは何万円か。
- 平成27年度 春期 問15次の調達の要領で,ソフトウェア開発を外部に委託した。ほぼ計画どおりの日程で全工程を終了して受入れテストを実施したところ,委託した範囲の設計不良によるソフトウェアの欠陥が多数発見された。プロジェクト調達マネジメントの観点から,取得者が実施すべき再発防止の施策として,最も適切なものはどれか。
- 平成21年度 春期 問11要求仕様が明確になっていない場合,納入者側のリスクが最も高くなる契約形態はどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 10年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和6年度 秋期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。