令和7年度 春期 午前Ⅱ 問17
情報セキュリティ
テンペスト攻撃の説明とその対策
テンペスト攻撃の説明とその対策として,適切なものはどれか。
- ア通信路の途中でパケットの内容を改ざんする攻撃であり,その対策としては,デジタル署名を利用して改ざんを検知する。
- イディスプレイなどから放射される電磁波を傍受し,表示内容を解析する攻撃であり,その対策としては,電磁波を遮蔽する。
- ウマクロマルウェアを使う攻撃であり,その対策としては,マルウェア対策ソフトを導入し,最新のマルウェア定義ファイルを適用する。
- エ無線LANの信号を傍受し,通信内容を解析する攻撃であり,その対策としては,通信パケットを暗号化する。
答えと解説を見る
✓ これが正解イディスプレイなどから放射される電磁波を傍受し,表示内容を解析する攻撃であり,その対策としては,電磁波を遮蔽する。
解説
テンペスト攻撃は機器の電磁波を傍受する攻撃で、遮蔽で対策します。
テンペスト攻撃は、ディスプレイやケーブル、キーボードなどの電子機器から漏れ出る微弱な電磁波を離れた場所で受信し、画面に表示された内容や入力された内容を再現する攻撃です。通信を盗聴するのではなく、機器が動くときに意図せず出ている電波を手がかりにするので、暗号化だけでは防げません。対策は、電磁波を外へ漏らさないようにすることです。機器や部屋を金属で囲んで遮蔽したり、電磁波の漏れを抑えた機器を使ったりします。見分ける軸は、攻撃が何を手がかりにしているかと、その手がかりを断つ対策になっているかです。漏れる電磁波を拾う攻撃には、電磁波を遮る対策、と組にして覚えます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア通信路の途中でパケットの内容を改ざんする…:通信路の途中でパケットを改ざんし、デジタル署名で検知するという組合せは、改ざんへの備えとしては成り立ちます。ただし、機器から漏れる電磁波を使うテンペスト攻撃の説明にはなっていません。
- ウマクロマルウェアを使う攻撃であり,その対…:マクロマルウェアを使い、マルウェア対策ソフトで防ぐという内容は、文書ファイルに仕込まれたマルウェアへの対策の話です。電磁波を傍受して表示内容を読み取るテンペスト攻撃とは手がかりが違います。
- エ無線LANの信号を傍受し,通信内容を解析…:無線LAN の電波を傍受して中身を解析し、暗号化で守るという組合せは、無線通信の盗聴への対策です。テンペスト攻撃は通信の電波ではなく、機器から意図せず漏れる電磁波を狙う点で異なります。
この問題の用語
- デジタル署名送り主が本人であることと、途中で中身が変わっていないことを同時に示す電子の印(古い表記はディジタル署名)。秘密鍵で作り、公開鍵で確かめます。
- マルウェア対策ソフト既知のマルウェアの特徴と照らし合わせて、侵入や実行を見つけて止めるソフト。定義ファイルが古いと新しいものを見逃します。
- 改ざん保管や送信の途中で、内容を許されずに書き換えること。完全性が損なわれますが、電子署名などを使えば起きたことを見つけられます。
- マルウェア定義ファイル対策ソフトが既知のマルウェアを見分けるために使う、照合用のデータ。新しいものに備えるには更新が欠かせません。
- 無線LAN電波で機器をつなぐLANで、配線がいらない代わりに電波は建物の外へも届きます。そのため接続の認証と通信の暗号化にWPA2やWPA3を使います。
- 暗号化内容を鍵がなければ読めない形に変換すること。通信の経路だけでは守りきれない場合があるので、ファイル自体にも施します。
出典:令和7年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問17
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問20:DNSSECの機能(デジタル署名)
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問19(暗号化)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問20:ビヘイビア法の説明(マルウェア定義ファイル)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問17:RLOに関する問題(マルウェア対策ソフト)
- 令和3年度 春期 午前Ⅱ 問18:前方秘匿性に関する問題(改ざん)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)