令和6年度 問11
会計・税務
発生主義に関する問題
甲管理組合における以下の活動に関し、令和6年3月分の仕訳として、最も適切なものはどれか。ただし、会計処理は毎月次において発生主義の原則によって処理されているものとする。なお、積立保険料は、満期返戻金付きとする。
(甲管理組合の会計年度:毎年4月1日から翌年3月31日まで)
活動
甲管理組合は、保険期間を5年、保険料支払方法を年払いとする「修繕積立保険」に加入しており、令和6年3月1日に令和6年3月1日から令和7年2月末までの期間1年分の保険料1,440,000円を普通預金口座から支払った。なお、当該保険料の明細は、以下のとおりである。
| 明細 | 金額 |
|---|---|
| ① 危険保険料 | 720,000円 |
| ② 積立保険料 | 720,000円 |
| 修繕積立保険料 合計 | 1,440,000円 |
(単位:円)
- 1(借方)支払保険料 1,440,000/(貸方)普通預金 1,440,000
- 2(借方)保険積立金 1,440,000/(貸方)普通預金 1,440,000
- 3(借方)支払保険料 720,000、保険積立金 720,000/(貸方)普通預金 1,440,000
- 4(借方)支払保険料 60,000、前払保険料 660,000、保険積立金 720,000/(貸方)普通預金 1,440,000
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✓ これが正解4(借方)支払保険料 60,000、前払保険料 660,000、保険積立金 720,000/(貸方)普通預金 1,440,000
解説
3月分の危険保険料だけを費用にし、残りは前払保険料と保険積立金にします。
本問は、発生主義で月ごとに会計処理をする管理組合が、1年分の修繕積立保険料を支払ったときの3月分の仕訳を問う問です。発生主義とは、お金の出入りの時点ではなく、その費用や収益が属する期間に計上する考え方です。
保険料1,440,000円のうち、危険保険料720,000円は事故に備える掛け捨ての部分で、保険期間の経過に応じて費用になります。令和6年3月1日から令和7年2月末までの12か月分なので、1か月分は720,000÷12=60,000円です。3月分の60,000円だけを支払保険料(費用)とし、4月以降の11か月分660,000円は前払保険料(資産)とします。積立保険料720,000円は満期返戻金として戻ってくる部分なので、費用ではなく保険積立金(資産)とします。
この結果、借方に支払保険料60,000円、前払保険料660,000円、保険積立金720,000円、貸方に普通預金1,440,000円とする仕訳が答えです。借方の合計は60,000+660,000+720,000=1,440,000円で、貸方と一致します。
見分け方としては、戻ってくる積立部分は資産、掛け捨て部分は期間で割り、当月分だけを費用にする、と2段階で考えると迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1(借方)支払保険料 1,440,000/…:1,440,000円の全額を支払保険料として費用にした仕訳です。積立保険料は満期返戻金として戻る資産であり、危険保険料も4月以降の11か月分は翌期の費用なので、全額を3月の費用にすることはできません。
- 2(借方)保険積立金 1,440,000/…:全額を保険積立金として資産にした仕訳です。危険保険料720,000円は掛け捨ての部分で返戻されないため、保険期間の経過に応じて費用にする必要があり、3月分の60,000円は支払保険料に計上します。
- 3(借方)支払保険料 720,000、保険…:危険保険料720,000円を一度に支払保険料としている点が誤りです。発生主義では3月分の60,000円だけが当月の費用で、残る11か月分の660,000円は前払保険料として資産に計上します。積立保険料の扱いは合っています。
出典:令和6年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問11
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