第38回 問題21
社会の理解
法定後見制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 165歳未満の者は利用することができない。
- 2判断能力が十分ある者には,後見人をつけることができない。
- 3市町村長は,後見開始の審判を請求することができない。
- 4法人を後見人に選任することはできない。
- 5後見人は財産管理を行うことはできない。
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✓ これが正解2判断能力が十分ある者には,後見人をつけることができない。
解説
法定後見は、判断能力が不十分な人のための制度です。
法定後見制度は民法に基づき、認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人について、家庭裁判所が後見人などを選び、本人を保護し支援する制度です。出題当時の民法では、判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3つの類型があり、後見は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人が対象でした(民法第7条)。
判断能力が十分ある人は、法定後見の対象になりません。将来に備えたい場合は、判断能力があるうちに自分で後見人となる人を選んで契約しておく任意後見制度を使います。判断能力が十分ある者には後見人をつけることができないという記述が、正しい内容です。
年齢の制限、市町村長の請求、法人の選任、後見人の財産管理についての記述は、いずれも民法や老人福祉法などの定めと合いません。法定後見は判断能力の程度で使う制度で、年齢では決まらない、と覚えておくと判断しやすくなります。なお、民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号、令和8年6月24日公布)により、後見と保佐を廃止して補助に一元化することが決まっており、この部分の施行は公布の日から2年6月を超えない範囲内で政令で定める日とされています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 165歳未満の者は利用することができない。:法定後見制度の利用に年齢の制限はなく、判断能力が不十分であれば65歳未満の人も利用できます。知的障害や精神障害のある若い人が、親の高齢化に備えて利用することもあります。
- 3市町村長は,後見開始の審判を請求することができない。:市町村長は、本人の福祉を図るため特に必要があると認めるときに、後見開始の審判を請求できます。老人福祉法第32条などがこれを定めており、身寄りのない高齢者などの申立てに使われています。
- 4法人を後見人に選任することはできない。:民法第843条第4項は、成年後見人となる者が法人である場合に考える事情を定めており、法人を選任することを前提にしています。社会福祉協議会などが法人として後見を担う例もあります。
- 5後見人は財産管理を行うことはできない。:後見人の中心的な役割は、本人の財産を管理し、本人に代わって契約などの法律行為をすることです。財産の管理と、生活や療養看護に関する身上保護の2つが後見人の主な仕事です。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題21。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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