第36回 問題71
介護の基本
3階建て介護老人福祉施設がある住宅地に,下記の図記号に関連した警戒レベル3が発令された。介護福祉職がとるべき行動として,最も適切なものを1つ選びなさい。
図記号:
黒い太枠の正方形。上の部分は白地で,中ほどに横に並ぶ白い波線が2本。 波線から下は黒く塗りつぶされている(水があふれた様子を表す,洪水の図記号の形)。
- 1玄関のドアを開けたままにする。
- 2消火器で,初期消火する。
- 3垂直避難誘導をする。
- 4利用者家族に安否情報を連絡する。
- 5転倒の危険性があるものを固定する。
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✓ これが正解3垂直避難誘導をする。
解説
洪水の警戒レベル3では、利用者を上の階へ移す垂直避難誘導をします。
決め手は、図記号が洪水を表すものであること、発令されたのが警戒レベル3であること、施設が3階建てであることです。警戒レベル3は、避難に時間がかかる高齢者や障害のある人などに避難を始めてもらう段階で、避難情報としては高齢者等避難にあたります。介護老人福祉施設の利用者は、まさに早めの避難が必要な人たちです。
洪水では、水が建物の低い階から入り込んできます。3階建ての施設で、浸水が及ばない上の階へ利用者を移す垂直避難は、身体を動かしにくい利用者を短い距離で安全な高さへ移す方法として有効です。そのため、垂直避難誘導をすることが、この場面で介護福祉職がとる行動として適しています。
ほかの行動は、洪水という災害の種類やこの段階に合いません。玄関のドアを開けたままにすると、水が建物の中に入りやすくなります。消火器による初期消火は、火災のときの対応です。家族への安否情報の連絡は、利用者の安全を確保したあとに行うことです。転倒の危険のあるものを固定するのは、主に地震への備えです。
覚え方としては、図記号で災害の種類をつかみ、警戒レベル3は高齢者等が避難を始める段階、洪水なら上へ、と結びつけておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1玄関のドアを開けたままにする。:ドアを開けたままにして出口を確保するのは、建物がゆがんで扉が開かなくなる地震のときに言われる備えです。洪水では、開いた玄関から水が建物の中へ流れ込みやすくなります。
- 2消火器で,初期消火する。:消火器での初期消火は、火災が起きたときにとる行動です。洪水への警戒が呼びかけられている場面で、消火に取りかかる理由はありません。
- 4利用者家族に安否情報を連絡する。:家族への安否の連絡は大切ですが、利用者を安全な場所へ移すことが先です。避難を始めるべき段階で連絡を優先すると、移動の時間が足りなくなるおそれがあります。
- 5転倒の危険性があるものを固定する。:家具などの転倒防止は、揺れによる被害を防ぐ地震への備えです。浸水のおそれが迫っている場面で優先して行う行動ではありません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題71。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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