2025年1月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問23
金融資産運用
応募者利回りに関する問題
固定利付債券の利回り(単利・年率)の計算に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる計算式として、最も不適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。
表面利率が0.1%で、償還年限が10年の固定利付債券が額面100円当たり101円20銭で発行された。この債券の応募者利回り(%)の計算式は( ア )となり、直接利回り(%)の計算式は( イ )となる。また、この債券を新規発行時に購入し、5年後に額面100円当たり102円で売却した場合の所有期間利回り(%)の計算式は( ウ )となる。さらに、この債券を発行から5年後に額面100円当たり102円で購入し、償還まで保有した場合の最終利回り(%)の計算式は( エ )となる。
- 1(ア){0.1+(100.00-101.20)÷10}÷101.20×100
- 2(イ)0.1÷101.20×100
- 3(ウ){0.1+(102.00-101.20)÷5}÷101.20×100
- 4(エ){0.1+(102.00-100.00)÷5}÷100.00×100
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✓ これが正解4(エ){0.1+(102.00-100.00)÷5}÷100.00×100
解説
最終利回りは購入価格102円を分母とし、償還差損を入れて計算します。
債券の利回り(単利)は、1年あたりの収益(年利子+手放す価格と買った価格の差を年数で割った額)を、買った価格で割って100を掛けて求めます。応募者利回り・所有期間利回り・最終利回りは、買った価格、手放す価格(償還なら100円、売却なら売却価格)、期間の組合せが違うだけです。直接利回りは年利子だけを買った価格で割ります。
応募者利回りは発行時に買って償還まで持つ場合で、{0.1+(100.00-101.20)÷10}÷101.20×100です。直接利回りは0.1÷101.20×100です。所有期間利回りは101.20円で買って5年後に102円で売る場合で、{0.1+(102.00-101.20)÷5}÷101.20×100です。ここまでは適切な式です。
最終利回りは、発行から5年後に102円で買い、償還(100円)まで5年持つ場合なので、{0.1+(100.00-102.00)÷5}÷102.00×100=約マイナス0.29%です。記述の式は差額の向きを逆にして償還差益とし、分母も購入価格の102円ではなく額面の100円にしているので、最も不適切です。
分子の差額は手放す価格から買った価格を引く、分母は買った価格、と決めておけば、どの利回りの式も同じ形で組み立てられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1(ア){0.1+(100.00-101.20)÷10}÷101.20×100:発行時に101.20円で買い、10年後に額面100円で償還を受けるので、差損1.20円を10年で割った年0.12円がマイナスになります。年利子0.1円に加えて101.20円で割る形で、応募者利回りの式として正しく組み立てられています。
- 2(イ)0.1÷101.20×100:直接利回りは、買った価格に対して毎年の利子がどれだけかだけを見る指標で、償還や売却の差損益は含めません。年利子0.1円を購入価格101.20円で割り100を掛ける式は適切です。
- 3(ウ){0.1+(102.00-101.20)÷5}÷101.20×100:101.20円で買って5年後に102.00円で売ったので、売却益0.80円を5年で割った年0.16円を年利子0.1円に足し、購入価格101.20円で割ります。所有期間利回りの式として適切です。
出典:2025年1月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問23(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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