令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問16
情報セキュリティ対策
揮発性に関する問題
外部から侵入されたサーバ及びそのサーバに接続されていた記憶媒体を調査対象としてデジタルフォレンジックスを行うことになった。このとき,稼働状態にある調査対象のサーバ,記憶媒体などから表に示すa~dを証拠として保全する。保全の順序のうち,揮発性の観点から最も適切なものはどれか。
| 証拠として保全するもの | |
|---|---|
| a | 遠隔にあるログサーバに記録された調査対象サーバのアクセスログ |
| b | 調査対象サーバにインストールされていた会計ソフトのインストール用CD |
| c | 調査対象サーバのハードディスク上の表計算ファイル |
| d | 調査対象サーバのルーティングテーブルの状態 |
- アa → c → d → b
- イb → c → a → d
- ウc → a → d → b
- エd → c → a → b
答えと解説を見る
✓ これが正解エd → c → a → b
解説
消えやすい順に、ルーティングテーブル、HDD、遠隔ログ、CDです。
証拠を保全するときは、揮発性の高いもの、つまり時間の経過や操作で失われやすいものから先に取得します。ルーティングテーブルの状態は主記憶上にあり、通信や電源断で変わったり消えたりするので最初に取得します。次に、調査対象サーバのハードディスク上の表計算ファイルです。電源を切っても残りますが、侵入されたサーバ上にあるので改変や上書きのおそれがあります。遠隔のログサーバにあるアクセスログは別の機器に記録されているので、その次で構いません。会計ソフトのインストール用 CD は内容が変わらず、後からでも同じ物を入手できるので最後です。保全の順序は、主記憶、ディスク、外部の記録、媒体の順に消えにくくなる、と覚えておくと判断できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アa → c → d → b:遠隔のログサーバのログから始めており、最も消えやすいルーティングテーブルの状態を3番目に回しています。ログやファイルを取得している間に、主記憶上の経路の情報が変わったり失われたりするおそれがあります。
- イb → c → a → d:内容が変わらないインストール用 CD から取得し、最も消えやすいルーティングテーブルの状態を最後に回しています。揮発性の低いものから順に並べており、求められる順序とは正反対です。
- ウc → a → d → b:ディスク上のファイルと遠隔のログを先に取得し、主記憶上のルーティングテーブルの状態を3番目にしています。ディスクやログより消えやすい情報を後回しにしている点が適切ではありません。
この問題の用語
- デジタルフォレンジックス起きた出来事の証拠を、変えないまま集めて調べる手立て(古い表記はディジタルフォレンジックス)。後から証拠として使えるよう、扱いの筋道を記録に残します。
- 記憶媒体データを保存しておくための装置や媒体。ハードディスクやSSD、USBメモリ、光ディスクなどがあり、容量や速さが違います。
- 証拠あとから事実を確かめられるように残した記録のこと。法的な場面で使えるように集めて保管し調べる手順を、デジタルフォレンジックスと呼びます。
- アクセスログ誰がいつどの情報に触れたかを残しておく記録のことです。利用状況の把握や障害の調査、サイトの改善などに役立ちます。
- 会計お金の動きを記録し、まとめて報告する仕事のことをいいます。在庫の評価のしかたなど、決められた方法に従って計算します。
- ハードディスク磁気で記録する、代表的な記憶装置のことをいいます。回転する円盤に読み書きするので、容量あたりの値段が安い反面、衝撃に弱いです。
出典:令和5年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16
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