第40回 午後 問127
臨床栄養学
胆石症に関する問題
胆石症、胆嚢炎の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1胆石症は、20歳台に好発する。
- 2胆石症のリスク因子として、肥満がある。
- 3胆石症の再発予防では、食物繊維の摂取を制限する。
- 4胆嚢炎急性期では、経腸栄養を実施する。
- 5胆嚢炎の症状が軽減したら、常食を開始する。
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✓ これが正解2胆石症のリスク因子として、肥満がある。
解説
肥満は胆石症のリスク因子の一つです。
胆石症は、胆汁の成分が固まって胆嚢や胆管に結石ができる病気で、多くはコレステロールを主成分とする結石です。リスク因子として、中年以降、女性、肥満、妊娠・出産などが知られています。肥満では肝臓からのコレステロールの分泌が増え、胆汁中のコレステロールが過飽和になって結石ができやすくなります。したがって、胆石症のリスク因子として肥満があるという記述が最も適当です。
ほかの記述は、好発する年齢、食物繊維の扱い、急性期の栄養補給の方法、回復期の食事の進め方のいずれかが、胆道の病気の病態や栄養管理と合っていません。胆嚢炎では、脂質の多い食事が胆嚢の収縮を起こして痛みを強めるため、急性期は消化管に栄養を入れず、回復に合わせて段階的に食事を進めることが基本です。
胆道の病気の栄養管理は、脂質の摂取が胆嚢の収縮を起こすという仕組みから考えると、急性期の絶食や脂質の制限の理由が理解しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1胆石症は、20歳台に好発する。:胆石症は年齢とともに増え、中年以降に多くみられる病気です。20歳台は好発年齢ではなく、加齢や肥満などの要因が重なる世代に多いことを押さえておきます。
- 3胆石症の再発予防では、食物繊維の摂取を制限する。:食物繊維は、胆汁酸と結合して排泄を促し、胆汁中のコレステロールの濃度を下げる方向に働くと考えられています。再発の予防では制限するのではなく、十分にとることが勧められます。
- 4胆嚢炎急性期では、経腸栄養を実施する。:胆嚢炎の急性期は、食事や栄養剤が腸に入ると胆嚢の収縮が起こり、痛みや炎症を悪化させるおそれがあります。このため絶食とし、栄養は静脈から補うのが基本です。
- 5胆嚢炎の症状が軽減したら、常食を開始する。:胆嚢炎の症状が軽くなったあとも、脂質の多い食事は胆嚢を収縮させて症状をぶり返すおそれがあります。脂質を控えた流動食から少しずつ段階を上げ、常食へと進めていきます。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問127(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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