第40回 午後 問122
臨床栄養学
トリグリセリドに関する問題
48歳、男性。教員。身長178 cm、体重80 kg、BMI 25.2 kg/m²、標準体重70 kg。血圧135/88 mmHg。空腹時の血液検査値は、LDLコレステロール120 mg/dL、HDLコレステロール45 mg/dL、トリグリセリド180 mg/dL。この患者に対して、動脈硬化性疾患予防のために、初回の外来栄養食事指導を行った。翌月、2回目の指導の前に1日当たりの食事摂取量の評価を行った。改善が必要な項目として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1エネルギー2,000 kcal
- 2たんぱく質90 g
- 3飽和脂肪酸12 g
- 4食物繊維25 g
- 5アルコール45 g
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✓ これが正解5アルコール45 g
解説
アルコール45 gは多すぎ、1日25 g以下に抑える必要があります。
この男性は、トリグリセリドが180 mg/dLと150 mg/dL以上で、高トリグリセリド血症にあたります。BMIも25.2 kg/m²と肥満の範囲です。日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、食事療法として、適正なエネルギー摂取、飽和脂肪酸の制限、食物繊維の十分な摂取とともに、アルコールの摂取を25 g/日以下に抑えることが示されています。アルコールは肝臓でのトリグリセリドの合成を高めるため、高トリグリセリド血症では特に控える必要があります。
1日にアルコール45 gをとっている状態はこの目安を大きく超えているので、改善が必要な項目として最も適当です。ほかの4項目は、エネルギー比率や1日の目安量に直して基準と照らし合わせると、いずれも適切な範囲に収まっており、改善の対象にはなりません。
食事摂取量の評価では、各項目をエネルギー比率や1日の目安量に換算してから、基準と照らし合わせると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1エネルギー2,000 kcal:動脈硬化性疾患予防のための総エネルギー摂取量は、目標とする体重(65歳未満では標準体重と同じ値)に身体活動量の係数を掛けて求めます。軽い労作なら70 kg × 25〜30で1,750〜2,100 kcalとなり、2,000 kcalはこの範囲に入っています。
- 2たんぱく質90 g:たんぱく質90 gは、90 × 4=360 kcalで、2,000 kcalのうち約18%Eにあたります。日本人の食事摂取基準のたんぱく質の目標量(13〜20%E)の範囲内で、改善の必要はありません。
- 3飽和脂肪酸12 g:飽和脂肪酸12 gは、12 × 9=108 kcalで、2,000 kcalの約5.4%Eです。動脈硬化性疾患予防ガイドラインの目安である7%E未満を満たしているので、改善が必要な項目ではありません。
- 4食物繊維25 g:食物繊維は、動脈硬化性疾患の予防のために十分にとることが勧められ、ガイドラインでは25 g/日以上が目安とされています。25 gはこの目安に届いています。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問122(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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