第40回 午後 問121
臨床栄養学
BMIに関する問題
47歳、男性。銀行員。職場の健康診断の結果により、外来を受診した。身長175 cm、体重85 kg、BMI 27.8 kg/m²。腹囲95 cm。血圧128/80 mmHg。空腹時の血液検査値は、血糖95 mg/dL、LDLコレステロール120 mg/dL、HDLコレステロール60 mg/dL、トリグリセリド160 mg/dL。喫煙習慣はない。この男性の栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1除脂肪体重を減らす。
- 23か月で10%の減量を目標とする。
- 3エネルギー摂取量は、30 kcal/kg標準体重/日とする。
- 4たんぱく質の摂取エネルギー比率は、18%Eとする。
- 5脂肪の摂取エネルギー比率は、15%Eとする。
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✓ これが正解4たんぱく質の摂取エネルギー比率は、18%Eとする。
解説
たんぱく質は18%Eとし、筋肉を保ちながら減量します。
この男性はBMI 27.8 kg/m²で肥満の範囲にあり、腹囲95 cmと内臓脂肪の蓄積が疑われ、トリグリセリドも150 mg/dLを超えています。肥満の栄養管理では、エネルギー摂取量を減らして体脂肪を減らしつつ、筋肉などの除脂肪体重はできるだけ保つことが目標になります。
減量中は、エネルギーを減らしても筋肉が落ちないよう、たんぱく質を適切な割合でとることが大切です。この男性の年齢では、日本人の食事摂取基準(2025年版)のたんぱく質の目標量は13〜20%Eで、18%Eはこの範囲にあり、減量中に筋肉を保つ配分として適当です。ほかの記述は、減らす対象、減量の速さ、エネルギーの量、脂質の割合のいずれかが、肥満症の減量の進め方と合っていません。
肥満症の減量では、エネルギーは控えるが、たんぱく質は十分にとり、体脂肪を中心に減らす、という組み立てで判断すると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1除脂肪体重を減らす。:減量の目的は体脂肪を減らすことで、筋肉などの除脂肪体重はできるだけ保ちます。除脂肪体重が減ると基礎代謝が下がり、体重が戻りやすくなるため、減らす対象にはしません。
- 23か月で10%の減量を目標とする。:BMI 25以上35未満の肥満症では、3〜6か月で現体重の3%以上の減量がまず目指されます。3か月で10%、つまり約8.5 kgの減量は急すぎて、続けにくく筋肉も失いやすくなります。
- 3エネルギー摂取量は、30 kcal/kg標準体重/日とする。:肥満症の減量では、エネルギー摂取量を25 kcal × 目標体重(kg)/日以下にすることが目安とされます。30 kcal/kg標準体重/日では摂取量が多く、減量が進みにくくなります。
- 5脂肪の摂取エネルギー比率は、15%Eとする。:脂質を15%Eまで減らすと、日本人の食事摂取基準の目標量(20〜30%E)を下回り、必須脂肪酸や脂溶性ビタミンが不足しやすくなります。極端な脂質の制限は勧められません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問121(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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