第40回 午前 問53
食べ物と健康
食品中の有害物質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1デオキシニバレノールは、主に魚介類の変質により生成される。
- 2ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されやすい。
- 3アスペルギルス属の一部は、オクラトキシンAを生成する。
- 4ヒスタミンは、内分泌かく乱物質として作用する。
- 5有機水銀は、イタイイタイ病の原因となる。
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✓ これが正解3アスペルギルス属の一部は、オクラトキシンAを生成する。
解説
オクラトキシンAは、アスペルギルス属の一部がつくるかび毒です。
食品中の有害物質は、何がつくるか(カビ・細菌・環境汚染)、体内にたまりやすいか、どんな健康被害を起こすかで見分けます。オクラトキシンAは、アスペルギルス属の一部やペニシリウム属のカビが産生するかび毒で、穀類やコーヒー豆などを汚染し、腎臓への毒性が知られています。
ほかの記述は、生成源・体内での動き・作用・疾患の組合せがずれています。デオキシニバレノールは麦類に生えるフザリウム属のかび毒、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は脂溶性で体内に蓄積しやすい物質、ヒスタミンはアレルギー様食中毒の原因、有機水銀は水俣病の原因物質です。
したがって、アスペルギルス属の一部がオクラトキシンAを生成するという記述が適当です。かび毒は、アフラトキシンとオクラトキシンAはアスペルギルス属、デオキシニバレノールはフザリウム属と、つくるカビの属名と組にして覚えると混同しにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1デオキシニバレノールは、主に魚介類の変質により生成される。:デオキシニバレノールは、小麦や大麦などに寄生するフザリウム属のカビがつくるかび毒で、麦類の汚染が問題になります。魚介類の変質と関係が深いのは、むしろヒスタミンです。
- 2ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、生体内から排泄されやすい。:PCBは脂溶性が高く化学的に安定なため、体内では分解・排泄されにくく、脂肪組織に蓄積します。カネミ油症事件の原因物質としても知られ、排泄されやすいという性質とは逆です。
- 4ヒスタミンは、内分泌かく乱物質として作用する。:ヒスタミンは、赤身魚に多いヒスチジンが細菌の脱炭酸酵素で変化して生じ、アレルギー様食中毒を起こします。ホルモンの働きを乱す内分泌かく乱物質として扱われる物質ではありません。
- 5有機水銀は、イタイイタイ病の原因となる。:有機水銀(メチル水銀)は水俣病の原因物質です。イタイイタイ病は神通川流域で起きたカドミウムによる慢性中毒で、腎臓の障害や骨軟化症を特徴とします。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問53(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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