第40回 午前 問37
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
妊娠合併症に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1妊娠高血圧症候群では、初産はリスク因子である。
- 2妊娠高血圧症候群では、胎児は巨大児であることが多い。
- 3妊娠高血圧症候群では、尿たんぱく量に基づき重症度を判定する。
- 4妊娠糖尿病には、妊娠中に診断された明らかな糖尿病が含まれる。
- 5妊娠糖尿病では、経口血糖降下薬を使用する。
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✓ これが正解1妊娠高血圧症候群では、初産はリスク因子である。
解説
初産は、妊娠高血圧症候群のリスク因子の一つです。
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に高血圧がみられる病態の総称です。胎盤の形成がうまくいかず、胎盤の血流が悪くなることが発症の背景と考えられています。リスク因子として、初産、高年齢の妊娠、肥満、多胎妊娠、高血圧や腎疾患・糖尿病の既往、家族歴などが知られています。したがって、初産がリスク因子だとする記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、妊娠高血圧症候群では胎盤から胎児への血流が減るため、胎児は発育不全(小さめ)になりやすく、巨大児ではありません。重症度は血圧の高さと臓器障害の有無で判定し、現在の分類では尿たんぱくの量は重症度の判定に用いません。妊娠中の糖代謝異常は、妊娠糖尿病、妊娠中の明らかな糖尿病、糖尿病合併妊娠の3つに分けられ、妊娠中の明らかな糖尿病は妊娠糖尿病とは別の区分です。妊娠糖尿病の治療は食事療法が基本で、薬物療法が必要な場合は胎盤を通過しにくいインスリンが用いられます。
妊娠高血圧は小さい児、妊娠糖尿病は大きい児になりやすい、と胎児への影響を対にして覚えると取り違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2妊娠高血圧症候群では、胎児は巨大児であることが多い。:妊娠高血圧症候群では、胎盤の血流が悪くなって胎児に届く酸素や栄養が減るため、胎児発育不全が起こりやすくなります。巨大児になりやすいのは、母体の高血糖が続く糖代謝異常の方です。
- 3妊娠高血圧症候群では、尿たんぱく量に基づき重症度を判定する。:重症度の判定は、収縮期血圧や拡張期血圧の高さと、肝臓・腎臓などの臓器障害の有無で行います。たんぱく尿の量の多さは重症度を決める基準から外されています。
- 4妊娠糖尿病には、妊娠中に診断された明らかな糖尿病が含まれる。:妊娠中に初めて見つかった糖代謝異常のうち、診断基準を満たすほど高い血糖のものは、妊娠中の明らかな糖尿病として妊娠糖尿病とは別に分類されます。両者は同じ区分ではありません。
- 5妊娠糖尿病では、経口血糖降下薬を使用する。:妊娠糖尿病では、まず食事療法で血糖を管理し、不十分ならインスリンを使います。経口血糖降下薬は胎児への影響の観点から、わが国では基本的に用いられません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問37(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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