第40回 午前 問36
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
骨粗鬆症に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1類骨が増加する。
- 2エストロゲンの過剰により起こる。
- 3骨形成が骨吸収を上回る。
- 4YAM(若年成人平均値)は、原発性骨粗鬆症の診断に用いられる。
- 5副腎皮質ステロイド薬が治療に用いられる。
答えと解説を見る
✓ これが正解4YAM(若年成人平均値)は、原発性骨粗鬆症の診断に用いられる。
解説
YAM(若年成人平均値)は原発性骨粗鬆症の診断に用いられます。
骨粗鬆症は、骨量が減り、骨の微細な構造が悪くなって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨は、破骨細胞が骨を壊す骨吸収と、骨芽細胞が骨をつくる骨形成が釣り合うことで保たれていますが、骨粗鬆症では骨吸収が骨形成を上回ります。閉経後の女性では、骨吸収を抑えていたエストロゲンが減ることが大きな原因になります。
原発性骨粗鬆症の診断では、脆弱性骨折の有無と骨密度を組み合わせて判断します。骨密度は、若い成人の平均値であるYAM(若年成人平均値)に対して何%かで評価し、骨折がない場合はYAMの70%以下などを基準に用います。したがって、YAMが診断に用いられるという記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、類骨(石灰化していない骨基質)が増えるのは、ビタミンD不足などによる骨軟化症の特徴です。骨粗鬆症はエストロゲンの過剰ではなく欠乏で起こります。副腎皮質ステロイド薬は骨形成を抑えて骨吸収を高めるため、長く使うと続発性骨粗鬆症の原因となり、治療薬にはなりません。骨粗鬆症は骨の量が減る病気、骨軟化症は骨の石灰化が足りない病気、と区別すると見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1類骨が増加する。:石灰化していない骨の基質である類骨が増えるのは、ビタミンD欠乏などで骨にカルシウムが沈着しにくくなる骨軟化症やくる病の特徴です。骨粗鬆症では骨の量そのものが減ります。
- 2エストロゲンの過剰により起こる。:エストロゲンには骨吸収を抑える働きがあります。閉経でエストロゲンが減ると骨吸収が進んで骨量が減るので、骨粗鬆症の原因は過剰ではなく欠乏の方です。
- 3骨形成が骨吸収を上回る。:骨粗鬆症では、破骨細胞による骨の分解が骨芽細胞による骨の形成を上回るため、骨量が少しずつ減っていきます。形成が吸収を上回るという向きは逆です。
- 5副腎皮質ステロイド薬が治療に用いられる。:副腎皮質ステロイド薬は、長期に使うと骨形成を抑えて骨折しやすくする副作用があり、続発性骨粗鬆症の代表的な原因です。骨粗鬆症の治療に使う薬ではありません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問36(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)