第40回 午前 問29
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
腎疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1ネフローゼ症候群の診断には、脂質異常症の存在が必須である。
- 2腎性の急性腎障害(AKI)は、循環血漿量の減少による。
- 3高血圧合併CKDの重症度分類では、尿アルブミン定量を用いる。
- 4微量アルブミン尿は、糖尿病腎症の診断基準に含まれる。
- 5腹膜透析液の浸透圧は、血漿浸透圧より低い。
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✓ これが正解4微量アルブミン尿は、糖尿病腎症の診断基準に含まれる。
解説
微量アルブミン尿は、糖尿病腎症の病期の診断に用いられます。
腎疾患の診断や重症度の判定では、どの検査値を基準に用いるかが疾患ごとに決まっています。糖尿病腎症では、尿中のアルブミン排泄量で病期が分けられ、早い段階の第2期は微量アルブミン尿期と呼ばれます。尿の試験紙ではたんぱくが陰性でも、微量のアルブミンが出ていれば早期の腎症と判断できます。したがって、微量アルブミン尿が糖尿病腎症の診断基準に含まれるという記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、ネフローゼ症候群の診断で必須なのは、高度のたんぱく尿と低アルブミン血症の二つで、脂質異常症や浮腫は参考となる所見です。循環血漿量の減少による急性腎障害は、腎臓に入る血流が減って起こる腎前性に分類されます。CKDの重症度分類では、原疾患が糖尿病なら尿アルブミン、高血圧や腎炎などそれ以外の場合は尿たんぱくを用います。腹膜透析では、ブドウ糖などで浸透圧を血漿より高くした透析液を入れて、体内の水を引き出します。
アルブミンで見るのは糖尿病、ほかは尿たんぱく、と原疾患で使う尿の検査を分けて覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ネフローゼ症候群の診断には、脂質異常症の存在が必須である。:ネフローゼ症候群の診断に必須とされるのは、1日3.5g以上などの高度なたんぱく尿と、低アルブミン血症です。脂質異常症はよくみられますが参考所見で、必須条件ではありません。
- 2腎性の急性腎障害(AKI)は、循環血漿量の減少による。:体液が失われて循環血漿量が減ると、腎臓に流れ込む血液が減って急性腎障害が起こります。これは腎臓の手前に原因がある腎前性で、腎臓そのものの障害による腎性とは区別します。
- 3高血圧合併CKDの重症度分類では、尿アルブミン定量を用いる。:CKDの重症度分類のたんぱく尿区分では、糖尿病が原疾患のときに尿アルブミン定量を使います。高血圧が原疾患のときは尿たんぱく定量で区分するので、記述は合いません。
- 5腹膜透析液の浸透圧は、血漿浸透圧より低い。:腹膜透析では、腹腔に入れた透析液と血液の浸透圧の差を利用して、体内の余分な水分を引き出します。そのために透析液の浸透圧は血漿より高くしてあり、低くはありません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問29(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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