令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 電力(電気技術者試験センター)問8
電力
選択肢を押すと、その場で答え合わせ。電験三種の過去問 400問を、解説つき・無料・登録不要で続けて解けます。
架空送電線路で用いられる電線の太さを決定する際に考慮すべき項目として,特に関係のない事項はどれか。次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1機械的強度
- 2コロナ放電の抑制
- 3電圧降下
- 4線路損失
- 5雷・開閉サージの波高
答えと解説
✓ これが正解5雷・開閉サージの波高
解説
雷・開閉サージの波高は絶縁設計で考える項目で、電線の太さとは関係しません。
架空送電線路の電線の太さは、流す電流と、電線そのものに求められる性能から決まります。主な考慮事項は、許容電流(電線の温度上昇)、電圧降下、線路損失、機械的強度、コロナ放電の抑制です。
電圧降下と線路損失は電線の抵抗で決まり、太い電線ほど抵抗が小さいので、どちらも小さくできます。機械的強度は、電線の自重や風圧、着氷雪に耐えて断線しないために必要で、太さと材料で決まります。コロナ放電は電線表面の電界が強いと起こり、外径が大きいほど表面の電界が弱まるので、超高圧の線路では太い電線や多導体を使って抑えます。このように、四つの項目はいずれも電線の太さと直接結びついています。
これに対して、雷・開閉サージの波高は、雷撃や遮断器の開閉で生じる異常電圧の大きさです。がいしの個数や架空地線、避雷装置など、絶縁設計や雷対策で考える項目で、電線の太さを決める項目とは特に関係がありません。したがって、雷・開閉サージの波高が正解です。
電線の太さは電流・電圧・強さ・コロナで決め、サージは絶縁で受け止める、と分けて覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢の解説
- 1機械的強度:電線は自重に加えて風圧や着氷雪の荷重を受けるので、径間の途中で切れない強さが必要です。必要な引張強さは電線の太さと材料で決まるため、機械的強度は太さを決める際に考慮すべき項目です。
- 2コロナ放電の抑制:コロナ放電は、電線表面の電界の強さが空気の絶縁の強さを超えると起こる放電です。外径を大きくすると表面の電界がやわらぐため、コロナの抑制は特に高電圧の送電線で太さを選ぶ理由の一つになります。
- 3電圧降下:送電線の電圧降下は、抵抗とリアクタンスに電流が流れて生じるので、抵抗が小さい太い電線ほど受電端の電圧の低下を抑えられます。受電端の電圧を保つために、太さを選ぶ際の考慮事項になります。
- 4線路損失:線路損失は抵抗に電流の2乗を掛けた抵抗損で、電線を太くして抵抗を下げるほど小さくなります。送電の効率と経済性に直結するので、電線の太さを決める際に考慮すべき項目です。
出典:令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 電力 問8(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
同じ分野の問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)