第59回 午後 問78
臨床医学
Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。
- 1幼少期に発症する。
- 2心筋障害はまれである。
- 3下肢に伸展拘縮をきたす。
- 4常染色体劣性遺伝である。
- 5筋形質膜にジストロフィン蛋白がみられる。
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✓ これが正解1幼少期に発症する。
解説
Duchenne型筋ジストロフィーは幼少期に発症します。
Duchenne型筋ジストロフィーは、X染色体にあるジストロフィンの遺伝子の異常によって、筋の細胞膜を支えるジストロフィン蛋白が作られなくなり、筋線維が壊れていく病気です。主に男児に起こり、幼少期(就学前)に、転びやすい、走るのが遅い、階段を上りにくいといった症状で気付かれます。床から立ち上がるときに手を膝について体を押し上げる登はん性起立も特徴的です。したがって、幼少期に発症するという記述が正しいといえます。
ほかの肢は、合併症の頻度、拘縮の向き、遺伝の形式、蛋白の有無を取り違えています。
X連鎖劣性遺伝で男児の幼少期に発症し、ジストロフィンが欠損する、と病気の骨組みを押さえたうえで、心筋障害や呼吸の障害、拘縮などの経過を結び付けて覚えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2心筋障害はまれである。:ジストロフィンは心筋にも存在するため、Duchenne型では病気が進むと心筋が障害され、心筋症や心不全がよくみられます。呼吸の障害とともに生命にかかわる重要な合併症で、まれではありません。
- 3下肢に伸展拘縮をきたす。:Duchenne型では、筋力の不均衡や座っている時間の長さから、股関節と膝関節の屈曲拘縮が起こりやすく、足関節は尖足になりやすいのが典型です。下肢に伸展拘縮をきたすという記述は、股関節・膝関節の典型的な拘縮の向きと合いません。
- 4常染色体劣性遺伝である。:Duchenne型筋ジストロフィーは、X染色体上の遺伝子の異常によるX連鎖劣性遺伝の病気です。そのため主に男児に発症し、女性は保因者となることが多く、常染色体劣性遺伝ではありません。
- 5筋形質膜にジストロフィン蛋白がみられる。:Duchenne型では遺伝子の異常によりジストロフィン蛋白が作られず、筋形質膜(筋の細胞膜)から欠損しています。蛋白がみられるという記述は逆で、蛋白の欠損が診断の手がかりになります。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問78(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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