第112回 午前 問31
保健統計学
令和元年の時点で「1日の果物摂取量が100g未満の者」は20歳以上の60%である。20歳以上の集団から無作為に選んだ100人の中で「1日の果物摂取量が100g未満の者」の人数が従う確率分布として適切なのはどれか。
- 1F分布
- 2t分布
- 3正規分布
- 4二項分布
- 5χ²〈カイ2乗〉分布
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✓ これが正解4二項分布
解説
成功確率60%の試行を100回くり返した人数は二項分布に従います。
二項分布は、結果が2通りしかない試行を、同じ確率で独立にn回くり返したとき、一方の結果が起きる回数が従う確率分布です。ここでは、無作為に選んだ1人が果物摂取量100g未満の者である確率が60%で、そうでない確率が40%です。100人を無作為に選ぶことは、この2通りの試行を100回くり返すことにあたり、100g未満の者の人数は0人から100人までの整数をとります。
この人数は、試行回数100、確率0.6の二項分布に従います。平均は100×0.6=60人、分散は100×0.6×0.4=24です。試行回数が多いときは二項分布を正規分布で近似して計算することがありますが、人数そのものが従う分布は二項分布です。F分布、t分布、χ²分布は、標本から計算した統計量が従う分布で、検定や推定のときに使われます。
したがって、適切な確率分布は二項分布です。はい・いいえの2通りの結果を数える場面では二項分布、と結びつけて覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1F分布:F分布は、2つの集団のばらつき(分散)の比を調べる検定や分散分析で使う分布です。100人の中で条件に当てはまる人数そのものが従う分布ではありません。
- 2t分布:t分布は、母集団の分散が分からないときに、平均値の検定や推定で使う統計量の分布です。2通りの結果をとる試行の回数を数えた人数が従う分布ではありません。
- 3正規分布:正規分布は連続的な値をとる分布で、人数のような0から100までの整数を数える量がもともと従う分布ではありません。試行回数が多いときに二項分布の近似として使われるにとどまります。
- 5χ²〈カイ2乗〉分布:χ²分布は、分割表の独立性の検定や、分散の推定などで使う統計量の分布です。2通りの結果の試行をくり返したときに一方が起きる回数そのものの分布ではありません。
出典:第112回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問31(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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