2024年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問59
相続・事業承継
相続税に関する問題
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(以下「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、相続人が相続により取得した宅地は、相続開始直前において被相続人等の事業の用に供されていなかったものとし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
- 1相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地を相続により取得した被相続人の配偶者は、相続税の申告期限までに当該宅地を売却した場合であっても、本特例の適用を受けることができる。
- 2相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地を相続により取得した被相続人の子が、当該宅地上の被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に相続開始前から相続税の申告期限まで引き続き居住し、かつ、当該宅地を相続開始時から相続税の申告期限まで所有していた場合、本特例の適用を受けることができる。
- 3相続開始直前において被相続人および被相続人の配偶者の居住の用に供されていた宅地を相続により取得した被相続人の子が、当該宅地を相続開始後に初めて自己の居住の用に供し、相続税の申告期限まで所有していた場合、本特例の適用を受けることができる。
- 4相続開始直前において被相続人と生計を一にする被相続人の母の居住の用に供されていた宅地を相続により取得した被相続人の配偶者は、本特例の適用を受けることができる。
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✓ これが正解3相続開始直前において被相続人および被相続人の配偶者の居住の用に供されていた宅地を相続により取得した被相続人の子が、当該宅地を相続開始後に初めて自己の居住の用に供し、相続税の申告期限まで所有していた場合、本特例の適用を受けることができる。
解説
配偶者が同居していた宅地を、別居していた子が取得しても特例は受けられません。
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(本特例)は、被相続人の自宅の敷地などを一定の親族が相続した場合に、一定の面積までの部分の評価額を大きく減額する制度です。被相続人の居住用の宅地では、誰が取得したかによって要件が変わります。
被相続人と同居していなかった親族が取得する場合(いわゆる家なき子)は、被相続人に配偶者がいないこと、相続開始の直前に被相続人の居住用の家屋に住んでいた被相続人の相続人がいないことなどの要件をすべて満たす必要があります。この記述では被相続人の配偶者が同居していたので、相続開始後に初めて住み始めた子は、同居親族にも家なき子にも当たりません。本特例の適用を受けることができるとする記述は不適切で、これが正解です。
ほかの記述は、配偶者が取得した場合と、同居していた子が申告期限まで居住・所有を続けた場合で、いずれも適用を受けられる場面です。
配偶者は取得者ごとの要件なし、同居親族は申告期限まで継続、家なき子は配偶者も同居の相続人もいないこと、と取得者別に3つに分けて覚えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1相続開始直前において被相続人の居住の用に…:被相続人の居住用の宅地を配偶者が取得した場合、取得者ごとの要件はありません。申告期限までの居住や保有を求められないので、期限前に売却しても本特例を受けられ、この記述は適切です。
- 2相続開始直前において被相続人の居住の用に…:被相続人と同居していた親族が取得した場合、相続開始の直前から申告期限まで引き続きその建物に住み、かつその宅地を申告期限まで持ち続けていれば本特例を受けられます。この記述は適切です。
- 4相続開始直前において被相続人と生計を一に…:被相続人と生計を一にする親族(ここでは母)の居住用の宅地も対象となり、それを被相続人の配偶者が取得した場合は取得者ごとの要件がありません。この記述は適切です。
出典:2024年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問59(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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