第40回 午後 問200
応用力試験
EARカットポイント法の問題
次の文を読み「199」、「200」に答えよ。
K県健康増進課に勤務する管理栄養士である。
K県では5年ごとに国民健康・栄養調査の方法に準じた県民健康・栄養調査を実施し、県民の栄養素等摂取量の平均値を求めて、前回調査からの変化を比較することで、施策の評価につなげてきた。しかし、これまでは、県民における栄養素の摂取不足者の割合を評価することができなかった。
そこで、今回の調査では、これまでの調査結果との比較に加え、日本人の食事摂取基準を基にEARカットポイント法を用いた評価を行うことを目的として、食事調査方法を検討することになった。
栄養素の摂取不足者割合の評価に関して、今回の食事調査方法で期待できる内容である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1過少申告による影響の軽減
- 2誤記入によるエラーの影響の軽減
- 3季節変動による影響の軽減
- 4集団における習慣的な摂取量分布の推定精度の向上
- 5集団における平均値の推定精度の向上
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✓ これが正解4集団における習慣的な摂取量分布の推定精度の向上
解説
2日間の調査で、習慣的な摂取量分布の推定精度が上がります。
摂取不足者の割合をEARカットポイント法で評価するには、集団の中で習慣的な摂取量がどう分布しているかを知る必要があります。1日だけの調査では、たまたま多く食べた日や少なかった日の値が混ざり、分布が実際より横に広がって、不足者の割合を多く見積もってしまいます。
今回の連続しない2日間の調査では、同じ人の2日分のデータから、個人の日ごとのばらつき(個人内変動)の大きさを推定できます。それを取り除いて調整すると、習慣的な摂取量の分布をより正しく推定でき、EARを下回る人の割合の評価が確かになります。したがって、集団における習慣的な摂取量分布の推定精度の向上が最も適当です。
調査日数を増やす目的は、平均値を正しくすることではなく、個人内変動を除いて分布の広がりを正しくすることにある、と区別しておくと、食事調査と食事摂取基準の問題を見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1過少申告による影響の軽減:過少申告は、食べた量を実際より少なく報告してしまう系統的な誤差で、調査日数を増やしても減りません。むしろ記録の日数が増えると負担から記録が簡略になり、過少申告が起こりやすくなることもあります。
- 2誤記入によるエラーの影響の軽減:誤記入によるエラーは、記録の書き方の説明や調査員による確認で減らすものです。調査日数を1日から2日にしても、記入の誤りそのものが減るわけではありません。
- 3季節変動による影響の軽減:季節変動を考慮するには、季節の異なる時期に調査を行う必要があります。今回の2日間は季節をまたいで調べる設計ではないので、季節による摂取量の違いの影響は軽減できません。
- 5集団における平均値の推定精度の向上:集団の平均値は、対象者の人数が十分であれば1日の調査でもかなり正しく推定できます。2日間の調査を行う主なねらいは平均値ではなく、日ごとのばらつきを除いて分布の広がりを正しくとらえることです。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問200(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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