第40回 午後 問106
栄養教育論
企業の健康保険組合の管理栄養士として、会食の場における適正飲酒を目的とする教室を企画している。参加予定社員から「取引先との会食で、お酒を断れずに飲み過ぎてしまいます。どうすれば良いでしょうか。」と事前質問を受けた。ソーシャルスキルトレーニングを取り入れた働きかけに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1相手の気分を損ねずにお酒を断る方法を紹介する。
- 2上手に対処できた社員数名に、経験談を発表してもらう。
- 3成功事例の発表を聞いた後に、グループに分かれて練習してもらう。
- 4飲酒量チェックアプリを紹介し、会食時に使ってもらう。
- 5お酒を断ったときのメリットとデメリットを紹介する。
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✓ これが正解3成功事例の発表を聞いた後に、グループに分かれて練習してもらう。
解説
成功事例を聞いた後にグループで練習するのが中心となる働きかけです。
ソーシャルスキルトレーニングは、人づきあいの中で必要な対処の技術を身につけるための訓練です。一般に、方法の説明(教示)、手本を見せる(モデリング)、実際に練習する(リハーサル、ロールプレイ)、練習へのフィードバック、日常での応用という流れで進めます。中心となるのは、身につけたい対処の仕方を、参加者自身が言葉に出して実際に練習する段階です。
成功事例の発表を聞いた後に、グループに分かれて練習してもらう働きかけは、手本を見たうえでお酒の断り方を実際に試す流れになっており、ソーシャルスキルトレーニングの中心をなす練習の段階を取り入れています。このため最も適当です。ほかの働きかけは、説明だけ、手本を見せるだけ、記録の道具の紹介、判断材料の提示にとどまり、参加者が対人場面の振る舞いを試す機会がありません。
ソーシャルスキルトレーニングを問われたら、対人場面の技術を参加者自身が練習しているかどうかを見ると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1相手の気分を損ねずにお酒を断る方法を紹介する。:気分を損ねずに断る方法を紹介するだけでは、知識を伝える段階にとどまります。参加者が実際に言葉に出してみる機会がないので、会食の場で使える技術としては身につきにくいと考えられます。
- 2上手に対処できた社員数名に、経験談を発表してもらう。:うまく対処できた社員の経験談は、手本を示すモデリングの役割を持ちます。ただ、聞くだけで参加者が自分で試す場面がなく、トレーニングとしては練習の段階が抜けています。
- 4飲酒量チェックアプリを紹介し、会食時に使ってもらう。:飲酒量チェックアプリで自分の飲酒量を記録するのは、セルフモニタリングにあたる働きかけです。取引先に角を立てずに断るという対人の技術を練習するものではありません。
- 5お酒を断ったときのメリットとデメリットを紹介する。:断ったときのメリットとデメリットを示すのは、行動を変えるかどうかを考えるための判断材料の提供です。断り方という対人の技術を身につける練習にはなっていません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午後(厚生労働省)問106(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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