第40回 午前 問78
基礎栄養学
カルシウムの吸収と代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1リンの過剰摂取は、小腸におけるカルシウムの吸収を抑制する。
- 2シュウ酸を多く含む食品の摂取は、小腸におけるカルシウムの吸収を促進する。
- 3血中カルシウム濃度の低下は、ビタミンDの活性化を抑制する。
- 4血中カルシウム濃度の上昇は、副甲状腺ホルモンの分泌を促進する。
- 5カルシトニンは、骨吸収を促進する。
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✓ これが正解1リンの過剰摂取は、小腸におけるカルシウムの吸収を抑制する。
解説
リンを摂りすぎると、小腸でのカルシウムの吸収が抑えられます。
カルシウムの吸収と代謝は、食事中の吸収を妨げる成分と、血中カルシウム濃度を一定に保つホルモン(副甲状腺ホルモン・活性型ビタミンD・カルシトニン)の働きで判断します。リンを摂りすぎると、腸管の中でカルシウムと結合して吸収されにくい塩をつくるなどにより、小腸でのカルシウムの吸収が抑えられます。
ほかの記述は、作用の向きがいずれも逆になっています。血中カルシウムが下がったときに働くホルモンと、上がったときに働くホルモンを分けて考えると、どこが逆なのかが分かります。
したがって、リンの過剰摂取は小腸におけるカルシウムの吸収を抑制するという記述が適当です。血中カルシウムを上げるのは副甲状腺ホルモンと活性型ビタミンD、下げるのはカルシトニン、と向きで覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2シュウ酸を多く含む食品の摂取は、小腸におけるカルシウムの吸収を促進する。:シュウ酸は腸管内でカルシウムと結合し、水に溶けにくいシュウ酸カルシウムをつくります。ほうれんそうなどシュウ酸の多い食品は、カルシウムの吸収を促進するのではなく抑制します。
- 3血中カルシウム濃度の低下は、ビタミンDの活性化を抑制する。:血中カルシウム濃度が下がると副甲状腺ホルモンの分泌が増え、腎臓で25-ヒドロキシビタミンDから活性型ビタミンDへの変換が促進されます。活性化は抑制されません。
- 4血中カルシウム濃度の上昇は、副甲状腺ホルモンの分泌を促進する。:血中カルシウム濃度が上がると、副甲状腺ホルモンの分泌は抑えられます。副甲状腺ホルモンは濃度が低下したときに分泌され、骨吸収や腎臓での再吸収を高めて濃度を上げるホルモンです。
- 5カルシトニンは、骨吸収を促進する。:カルシトニンは甲状腺から分泌され、破骨細胞の働きを抑えて骨吸収を抑制し、血中カルシウム濃度を下げます。骨吸収を促進するのは副甲状腺ホルモンです。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問78(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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