情報セキュリティマネジメント 平成30年度 春期 午前 問1
インシデント管理・組織/機関・基準・セキュリティ評価
サイバーレスキュー隊に関する問題
サイバーレスキュー隊(J-CRAT)に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア サイバーセキュリティ基本法に基づき内閣官房に設置されている。
- イ 自社や顧客に関係した情報セキュリティインシデントに対応する企業内活動を担う。
- ウ 情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度を運営する。
- エ 標的型サイバー攻撃の被害低減と攻撃連鎖の遮断を支援する活動を担う。
答えと解説
✓ これが正解エ 標的型サイバー攻撃の被害低減と攻撃連鎖の遮断を支援する活動を担う。
解説
J-CRATは標的型攻撃の被害低減と攻撃連鎖の遮断を支えます。
J-CRATは、IPAが運営するサイバーレスキュー隊のことです。標的型攻撃を受けた、あるいは受けたおそれのある組織から相談を受け、その組織の被害を小さく抑えることと、そこを足がかりにして別の組織へ攻撃が広がっていく連鎖を断ち切ることを支援します。標的型攻撃では、ある組織で盗んだ情報や乗っ取った連絡先を使って取引先へ次々と手を伸ばしていくことがあるため、一つの組織の中だけで対応を閉じると被害が外へ広がります。そこで、相談を受けた組織の被害の低減と、攻撃の連鎖の遮断の両方をねらう支援活動として置かれています。正解の選択肢は、この位置付けをそのまま述べたものです。
ほかの選択肢の解説
- ア サイバーセキュリティ基本法に基づき内閣官房に設置されている。:サイバーセキュリティ基本法に基づいて内閣官房に置かれた政府側の組織を指す記述です。シラバスが内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)として挙げているのはこちらの組織で、IPAが運営する取組とは主体が異なります。なお、NISCはその後の改組で、2025年7月に国家サイバー統括室となっています。
- イ 自社や顧客に関係した情報セキュリティインシデントに対応する企業内活動を担う。:自社や顧客に関わるインシデントへ対応する企業内の活動は、一般にCSIRTが担う役割として整理されるものです。外部から相談を受けて他の組織を支援する立場ではなく、自分の組織の中で完結する体制という点が違います。
- ウ 情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度を運営する。:認証の制度を運営するという記述で、審査や登録の枠組みを回す役割の話です。攻撃を受けた組織からの相談に応じて被害の広がりを止める支援活動とは、目的も相手も別のものになります。
関連用語
- サイバーレスキュー
隊 J-CRATの日本語での呼び名で、標的型攻撃の相談に応じる活動です。 - J-CRAT標的型の攻撃について、被害の軽減と攻撃連鎖の遮断を支える活動です。
- 標的型攻撃特定の組織や人を狙い、目的を果たすまで気づかれないように続ける攻撃。
- CSIRT事故が起きたときに窓口となり、調べて対応する組織内の専門チーム。
- NISCサイバーセキュリティ基本法に基づいて内閣官房に置かれた組織。
- サイバーセキュリティ
基本法 国のサイバーセキュリティ施策の基本を定めた法律です。 - 情報
セキュリティインシデント 情報の漏えいや停止など、セキュリティを損なう出来事。 - 情報
セキュリティマネジメントシステム 組織の情報セキュリティを仕組みとして運用する枠組みのこと。
出典:平成30年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問1
解説の最終確認:2026-09-25
解説は当サイト独自のもので、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)とは関係ありません。
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